2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性神経変性疾患に対する非侵襲的遺伝子治療法の開発(BBBを超えられるか?)
Project/Area Number |
17390305
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
島田 隆 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 真 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50256963)
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 講師 (90267211)
塙 秀樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (10256977)
久安 早苗 日本医科大学, 医学部, 助手 (00089616)
渡辺 淳 日本医科大学, 医学部, 助手 (10307952)
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Keywords | 遺伝子治療 / 異染性白質ジストロフィー / 血液脳関門 / マンノース6リン酸 / トランスサイトーシス |
Research Abstract |
異染性白質ジストロフィー(MLD)をモデルとして、遺伝性脳神経変性疾患に対する新しい非侵襲的遺伝子治療法の開発を目的としている。リソゾーム酵素欠損症では、一般的に酵素補充療法の有効性が期待できるが神経変性を伴う疾患に対しては血液脳関門(BBB)が障害となり、有効な治療戦略が立てられていない。ウイルスベクターを脳内に注射する侵襲的遺伝子治療は、ヒトの治療法として技術的或いは倫理的に大きな問題がある。本研究では、BBBを構成する血管内皮細胞でリソゾーム酵素のレセプターであるマンノース-6-リン酸受容体(M6PR)を強制発現させ、リソゾーム酵素を血中から神経組織に非侵襲的に輸送させる方法(Transcytosis)の可能性を検討している。肝臓や筋肉での正常リソゾーム酵素の発現と組み合わせることにより、脳神経組織に対する長期の酵素補充療法が実現できると期待している。 ヒト胎盤RNAライブラリーから7.6kbのM6PR遺伝子のPCRクローニングに成功した。M6PRはinsulin-like growth factor II receptor (IGFIIR)機能を持つ多機能蛋白質であるためIGFIIの結合部位に変異を導入したM6PRm遺伝子を構築した。M6PR及びM6PRmの発現プラスミドベクターを作製し、培養細胞での発現をNorthern及びWestern解析により確認した。更に、これらのレセプターを発現する細胞にASAが特異的に取り込まれることを示した。動物実験を行うためにgutlessアデノウイルスベクターの作製を進めるとともに、レセプター機能を保持したminigeneを作製するために様々なdeletion mutantの機能解析を行っている。Gutlessアデノウイルスベクターやminigeneを組み込んだレンチウイルスベクターを使った動物実験を進める予定である。
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Research Products
(2 results)