2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダリエー病SERCA2b変異遺伝子導入トランスジェニックマウスの解析
Project/Area Number |
17390309
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
飯塚 一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90113513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30241441)
高橋 英俊 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00216748)
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Keywords | ダリエー病 / 表皮細胞 / カルシウムポンプ / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
ダリエー病は小胞体カルシウムポンプ遺伝子ATP2A2の変異により発症する角化異常症である。ATP2A2の転写産物であるSERCA2b(sarcoendoplasmic reticulum calcium-ATPase type 2b)はATPを加水分解し、カルシウムを細胞質から小胞体内腔へ輸送する。われわれは以前からの研究に引き続き、ナンセンス変異以外の点突然変異を有するSERCA2b 51種類全ての機能解析を行った。これら51種類の異常は、いくつかの群に分けられるが、各々の典型についてtransgenic mouseを作成中である。本年度はまとまった仕事として、現在投稿中の結果について主に報告する(Miyauchi, Iizuka et al.:J Biol Chem submitted)。51種類中、15種類はSERCA2bの発現そのものの低下によるものであり、21種類はカルシウムポンプ機能と共役するATPase活性が完全消失によるものであった。残りの8種類はATPase活性とカルシウムポンプとの間の機能的uncouplingを示し、最後に残った3種類(I274V, L321F, M719I)は、変異SERCA2bがほぼ正常に発現、局在化し、しかも高いカルシウム輸送活性を有するにもかかわらず、速度論的性質において、細胞質カルシウムに対する親和性の低下や小胞体内腔カルシウムによるfeedback inhibitionに対する非感受性を示す変異であった。最後の異常(L321F変異体)は他に類をみない極めてユニークなもので、われわれの、今後のteransgenic mouseの解析において最も注目しているものである。
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Research Products
(6 results)