2006 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス潜伏感染と宿主免疫に起因する皮膚疾患の病態と予後の研究
Project/Area Number |
17390311
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩月 啓氏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80126797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 和英 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30304356)
山崎 修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90294462)
山本 剛伸 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (50379799)
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Keywords | EBウイルス / NK / T細胞 / 潜伏感染 / 宿主免疫応答 / ウイルス発がん |
Research Abstract |
EBウイルス関連NK/T細胞増多症の疾患スペクトラム,予後解析,ウイルス感染様式とウイルス抗原発現の解析,樹立細胞クローン解析,宿主免疫応答についての研究を実施した. 1.症例収集と臨床的解析:全国から送付された多症例の臨床・病理学的解析からEBウイルス関連皮膚疾患のスペクトラムを明確にし,予後調査から悪性転帰をとる患者群の特徴が明らかにした(Arch dermatol 2006,Eur J Dermatol 2006発表). 2.新規・非侵襲的診断法開発と応用:ウィルスDNAを定量的にモニターできる方法を臨床応用した.皮膚病変の痂皮を用いた非侵襲的なEBウイルス潜伏感染診断法を開発し(J Microbiol Methods 2007),特許申請した(PCT/JP2006/317851).この方法により海外から送付される検体を検査することが可能になった. 3.EBウイルス感染細胞株の解析:樹立EBウイルス感染NK/T細胞株の解析を進め,潜伏感染から溶解感染への誘導が起きることを見出した.その結果,再活性化ウィルス抗原に対する宿主免疫応答が病態形成に重要であることが示唆された. 4.潜伏感染関連遺伝子の機能解析:潜伏感染からの再活性化に伴うBZLF1やBARF0の遺伝子発現を検討した.BZLF1発現と臨床症状との関連や,BARF0のisoform発現と病型との関連が見出された(論文準備中). 5.治療へ向けての取り組み:腫瘍特異抗原を用いた免疫療法(自主臨床治験)を行った.NY-ESO-1抗原陽性のメラノーマに対して免疫応答が誘導できることを確認し(Int.J.Cancer 2007掲載),同時に制御性T細胞やM2マクロファージによって,腫瘍が免疫機構から回避する現象を見出した(論文準備中).EBウイルス関連疾患における免疫療法展開にとって貴重なデータを得た.
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Research Products
(8 results)