2005 Fiscal Year Annual Research Report
ランゲルハンス細胞を標的利用した抗原特異的免疫寛容の誘導
Project/Area Number |
17390312
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森田 明理 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30264732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 桂子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80381789)
新谷 洋一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10336688)
山本 あい 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60381802)
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Keywords | ランゲルハンス細胞 / 樹状細胞 / 免疫寛容 / 紫外線 / アレルギー疾患 / 皮膚 / 遅延型過敏反応 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
免疫寛容を誘導する樹状細胞は制御性樹状細胞と呼ばれ,共刺激分子やサイトカインの発現のパターンによっていくつかのサブセットが考えられている.私達はNF-kBデコイがOvalbumin(OVA)に対する遅延型過敏反応(DTH)において抗原特異的な免疫寛容を誘導し,その過程で制御性T細胞が増加することを明らかにした.今年度は、抗原特異的免疫寛容の機序解析のため、OVA感作時のNF-kBデコイ外用による樹状細胞(ランゲルハンス細胞)の解析を行った.NF-kBデコイ外用24時間後にOVA感作を行った結果,OVA感作後2日後NF-kBデコイ外用により,OVA感作による表皮からのランゲルハンス細胞の流出が38%減少し、表皮では樹状突起をのばし形態的に活性化したランゲルハンス細胞の残存がみられた。所属リンパ節への樹状細胞の流入もOVA感作後2日後40%減少した.リンパ節に移動した樹状細胞では,活性化補因子(B7-1,B7-2)の発現の軽度減少と,制御性補因子(B7-H1,B7-DC, B7-H3)の発現の有意な増加が認められた.この樹状細胞の表現形は制御性樹状細胞と言えるものであった.さらに、誘導された制御性樹状細胞をマグネットビーズ法を用いCD11c陽性分画を分離し、新たなマウスに移入することで、抗原特異的な免疫抑制を誘導することが可能であった。以上のことから,NF-kBデコイ外用により誘導される抗原特異的免疫寛容には,樹状細胞の所属リンパ節への移動の遅延と樹状細胞の活性化の制御が関与し、制御性樹状細胞を誘導することが明らかとなった.NF-kBデコイ外用は末梢性免疫寛容をもたらす新しい手段であり,制御性樹状細胞を誘導から、今後の自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療方法として応用可能であることが示唆された.また、NF-kBデコイ外用のみならず、紫外線を用いて、同様の検討を進めている段階である。
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Research Products
(7 results)