2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングとがん治療戦略:イメージングによるインビボ組織染色を目指して
Project/Area Number |
17390332
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
清野 泰 京都大学, 医学研究科, 助手 (50305603)
玉木 長良 北海道大学, 医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
|
Keywords | 放射線 / 癌 / 分子イメージング / 治療 |
Research Abstract |
本研究では、"がんの分子機構"や"がんの個性"に関する情報を、ポジトロンCTをはじめとする分子イメージング法を用いてインビボで画像として捉え、がんの治療戦略に役立てることを目的とし、本年度は以下の検討を行った。 1.分子標的治療に関する研究 A431腫瘍細胞を移植したヌードマウスにおいて、Iressa治療(200mg/kg/day)により、FLT(核酸誘導体:腫瘍の増殖能の指標)の腫瘍集積は有意に低下した。一方、FDGの腫瘍集積には変化はなかった。これらの結果から、FLTは腫瘍細胞の増殖能を反映し、Iressaなど分子標的療法の早期治療効果判定に有用である可能性が示された。 2.放射線治療に関する研究 担がんモデルラットを用いて放射線治療(20Gy)を行い、治療群・非治療群におけるFDGの腫瘍集積を調べた。その結果、FDGの腫瘍集積は、放射線治療後超早期(2時間後)に有意に低下した。これらの結果は、放射線照射による炎症反応が惹起される前に、FDGにより放射線治療の効果を評価しうる可能性を示している。 3.がんの分子機構を標的とする新規イメージング剤の開発 がんの血管新生能の評価を目的として、血管新生阻害を有する核酸誘導体を分子イメージング用放射性薬剤として設計・合成した。また、本化合物の放射性標識体の合成に成功した。他方、Celecoxibの放射性ヨウ素標識体(IMTP)を合成し、シクロオキシゲナーゼ-2の分子イメージング用放射性薬剤としての有用性を検討した。その結果、IMTPは速やかな血中クリアランスと優れた標的/血液比を示し、本化合物のCOX-2選択的イメージング剤としての可能性が示された。
|