2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングとがん治療戦略:イメージングによるインビボ組織染色を目指して
Project/Area Number |
17390332
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久下 裕司 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (70321958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (50305603)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
上田 真史 京都大学, 医学研究科, 助教 (40381967)
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Keywords | 放射線 / 癌 / 分子イメージング / 治療 |
Research Abstract |
本研究では、“がんの分子機構"や“がんの個性"を、ポジトロンCTをはじめとする分子イメージング法を用いて画像として捉え、がんの治療戦略に役立てることを目的とし、本年度は以下の検討を行った。 1)がんの血管新生能の評価を目的として、チミジンホスホリラーゼ(TP)阻害作用を有する核酸誘導体を分子イメージングプローブとして設計し、昨年度までに11C-標識体を合成した。本年度は、より汎用性に優れるSPECTイメージングを目指して、123I-標識体の合成を試みた。その結果、極めて高いTP阻害作用を有する新規SPECT用薬剤5I6IIMU-HC1の合成に成功し、さらに、ウラシルの5位に簡便迅速かつ高収率で放射性ヨウ素を導入することができた。 2)Membrane-type 1 matrix metalloproteinase(MT1-MMP)は、がんの浸潤・転移に関与する酵素である。昨年度までに、[99mTc]標識抗MT1-MMP抗体は腫瘍への集積性を示し、本薬剤のMT1-MMPイメージング薬剤としての有用性を示した。今年度は、ストレプトアビジン(SAv)とビオチン(Bt)の特異的二分子間相互作用を利用したプレターゲティング法を用いることで短時間での診断が可能になると考え、マウスにおける体内動態を検討した。その結果、投与後早期に高い腫瘍血液比が得られ、MT1-MMPを標的としたがんの悪性度診断の可能性が示唆された。 3)シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を標的とするイメージング剤の非特異的集積の低減を目指し、構造中にカルボン酸を有するLumiracoxibの放射性ヨウ素標識誘導体([123I]FIMA) を設計し、その合成・評価を行った。その結果、FIMAはCOX-2に高い選択性と阻害活性を有し、[123I]FIMAがCOX-2選択的イメージング剤となる得ることを見出した。
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