2005 Fiscal Year Annual Research Report
合成糖鎖による抗腫瘍効果の解析-新規抗がん剤の開発を目指して-
Project/Area Number |
17390344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40212469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
加藤 広行 群馬大学, 医学部, 講師 (70224532)
志村 龍男 群馬大学, 医学部, 助手 (00282393)
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Keywords | 糖鎖 / 抗腫瘍効果 / リポソーム / アポトーシス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
1.化学合成糖鎖の合成と抗腫瘍効果のスクリーニング 既報(Glycobiology,12:545-53,2002.)により細胞内に取り込まれ代謝される候補の中から、腫瘍増殖抑制が期待できる単糖また2糖を10数種類化学合成しこれらにβ-cholestanolを結合させた。この中でMTT Assay法にて抗腫瘍活性の高かった糖鎖としてGlcNAcβR(R=(-) or Galβ)cholestanolsを選択した。 2.化学合成糖鎖のリポ化と細胞内への取り込みの観察 細胞内への取り込みを増強する目的でリポソームに結合させた試薬を作成した。Colon26を用いて細胞内への取り込みを、1.liposomeを直接蛍光標識する2.糖鎖の一部にbiotinを結合させ、avidin結合蛍光物質を作用させることで糖鎖を標識 の2つの方法で蛍光顕微鏡下に細胞内への取り込みを経時的に観察した。その結果、リポ化された糖鎖は、投与後数時間で細胞質内に取り込まれ、核の近傍に集積していることが確認された。ミトコンドリアとの重染色にでは、ミトコンドリア内への取り込みが示唆された。 3.GlcNAcβ-Galβcholestanolによるアポトーシス誘導の機構 GlcNAcβ-Galβcholestanolの作用後DNA ladderが観察されアポトーシスが誘導されていることが確認された。アポトーシス関連たんぱくの発現をWestern Blottingにて確認したところBax-familyの活性化を介したmitochondrial-intrinsic pathwaysが関与していることが明らかとなった。 4.In vivoの検討 Balb/cマウスの皮下腫瘍に局所注射すると腫瘍の消失が観察され、In vivoにおける抗腫瘍効果が認められた。腹膜播種のモデルにおいても腫瘍増殖抑制効果とマウス生存の延長効果が認められた。
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