2006 Fiscal Year Annual Research Report
合成糖鎖による抗腫瘍効果の解析-新規抗がん剤の開発を目指して-
Project/Area Number |
17390344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浅尾 高行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40212469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 博行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90186560)
加藤 広行 群馬大学, 医学部, 講師 (70224532)
志村 龍男 群馬大学, 医学部, 助手 (00282393)
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Keywords | 糖鎖 / 抗腫瘍効果 / リポソーム / アポトーシス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
1.糖鎖のキャリアーの比較検討 糖鎖-Chlestanolを細胞内に取り込ませるキャリアーを検討し、これまでのLiposomeに加えシクロデキストリンの安全性、経済性、効果につき実験を行った。細胞内の取り込みは、シクロデキストリンとLiposomeは同等であったが、Liposomeに含まれるステアリン酸が高濃度で細胞増殖抑制があるためシクロデキストリンが安全性の面から優れていることが判明した。以下の検討はシクロデキストリンを用いて検討することとした。 2.マウス腹膜播種モデルにおける抗腫瘍効果の検討 17年度に抗がん剤として有望とされたGlcNacβ-Chlestanolの効果をIn vivoで検討した。まずマウス腹膜播種モデルでマウスにおける毒性試験からMTDを求め、その結果を元に腹膜転移モデルでの治療実験を行った。単回投与で有意に腫瘍重量の減少が認められ、前年の皮下腫瘍に対する効果以上の有用性が示された。 3.マウス腹膜転移モデルにおける生存期間 1.の投与での生存期間を検討した結果、薬剤投与による生存期間の延長が認められた。 4.アグリコンの影響 糖鎖に結合させた疎水基を変化させた合成糖鎖を作成し、in vitroでの効果を検討したところCholesterol、Chlestanolが有効であったが、それ以外の複数の疎水基では全く効果を示さなかった。 5.中皮腫細胞に対する効果 近年アスベストとの関係で社会問題となってきている中皮腫細胞に対しても、代表的な3種類の中皮腫細胞を用いて検討し、in vitroにおいて同様の抗腫瘍効果を確認した。 抗腹膜播種以外への糖鎖コレスタノールの新たな応用も考えられた。
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