2008 Fiscal Year Annual Research Report
合成糖鎖による抗腫瘍効果の解析-新規抗がん剤の開発を目指して-
Project/Area Number |
17390344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浅尾 高行 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40212469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
加藤 広行 群馬大学, 医学部, 講師 (70224532)
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323356)
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Keywords | 糖鎖 / 抗腫瘍効果 / リポソオーム / アポトーシス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
研究の最終年にあたり今までに得られた成果を基に、臨床試験に必要なデーターの蓄積とともに作用機序の解明を詳細に行なった。 1.細胞内へ取り込み colon26細胞にGGCを処理すると細胞内及びミトコンドリア分画で経時的にGGC濃度は増加した。ショ糖濃度勾配遠心によって得られた分画ではGGC濃度を示すグラフのピーク位置とマイクロドメインのマーカー分子の分布が一致した。また、GGC処理細胞ではミトコンドリアから細胞質へ経時的なcytochromecの放出が認められた。細胞膜表面のマイクロドメインはコレステロールに親和性が高いため、コレステロール誘導体であるコレスタノールをアグリコンとする糖コレスタノールを培地中に加えると、細胞のマイクロドメインを経由して細胞内へ取り込まれ、ミ卜コンドリアに集積し、cytochromecの放出につながると考えられた。 2.Caspase-cascade GGC及びGC処理細胞では、apoptosisの抑制分子であるBCL-XLの抑制と、apoptosis誘導分子であるtBit、BaxをはじめApaf-1、caspase-9、caspase-3からPARPに至るー連のcaspase-cascade関連分子の連続した活性化が明らかになった。またこれらの反応はいずれも糖存在下でのみ観察され、糖を合まないChol処理ではこれらの変化は認められない。従って、糖コレスタノールによる細胞死は、caspase cascade活性化による糖特異apoptosis誘導が明らかになった。 3.糖コレスタノールの体内動態糖コレスタノールの体内動態は、既報通り、糖コレスタノールのLC/MS分析から定量してその分布を調べた。腹腔内及び尾静脈投与後の血中濃度の推移を比較すると前者では投与後短時間内に2峰性のピークが認められ、いずれも24時間内にほぼバックグランド値を示した。腹腔内及び尾静脈投与後の組織内分布を見ると前者では腸間膜への集積が、後者では肝臓.腎臓などへの集積ガ注目された。 なお、特許の関係で本年度の論文化は控えた。
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