2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植における組織特異的抗原に関する免疫反応の機序とその抗原局在に関する研究
Project/Area Number |
17390347
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木内 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40303820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 久實 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60184321)
藤本 康弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335281)
山本 栄和 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10378101)
羽賀 博典 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10252462)
中村 栄男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80180363)
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Keywords | 小児肝移植 / 自己免疫性肝炎 / 抗核抗体 / 抗平滑筋抗体 / 免疫グロブリン / 拒絶反応 / 組織クロスマッチ |
Research Abstract |
研究代表者の施設では1998年より2005年までの期間に32例の小児生体肝移植が行われた。移植時年齢0.8-17.3[中央値2.8]歳、男児47%、原疾患は胆道閉鎖症が72%、移植後観察期間は0-86[中央値20]か月であった。 現在まで生存追跡している27例(観察期間1-86[中央値24]か月)のうち4例(15%)に移植後4-68[中央値24]か月で自己抗体の出現を伴う肝機能異常を認めた。男女各2例、移植時年齢4.7-15.2[中央値13.0]歳、原疾患はすべて胆道閉鎖症であった。4例中3例に抗核抗体、1例に抗平滑筋抗体(抗核抗体が遅れて陽性化)を認め、うち1例にはIgGの強い上昇を伴った。組織学的には、急性拒絶に合致する所見に加えて形質細胞の目立つinterface hepatitisの所見を合併していた。いずれも副腎皮質ステロイドとazathiopurinの併用で改善が見られた。他施設で移植を受け当施設で追跡中の同様な小児症例2例(いずれも胆道閉鎖症)を加え、これらを移植後新規自己免疫性肝炎(de novo AIH)群とした(n=6)。一方、肝移植後慢性期に自己抗体出現や免疫グロブリン上昇を伴わない難治性急性拒絶を生じた小児生体肝移植症例を難治性拒絶群とした。さらに急性期の治療反応性急性拒絶例あるいは非拒絶例を対照群とした。 現在、これらの症例の発症時・治療中・軽快時の血清を用いて、移植時あるいは発症時の移植肝組織に対する組織クロスマッチを行い、肝組織と反応する抗体の検索を行っている。今後、標的細胞あるいは構造の同定を行い、必要であれば電顕的微細解析も追加する。一方で、血清中抗体のサブタイプを含めた同定分析を行い、抗HLA活性も確認しながらde novo AIHの発生機序と治療における修飾を明らかにし、同時に自己抗体非出現型の拒絶反応との対比から、その病態解明を行う予定である。(800字)
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Research Products
(5 results)