2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植における組織特異的抗原に関する免疫反応の機序とその抗原局在に関する研究
Project/Area Number |
17390347
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木内 哲也 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40303820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 久實 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60184321)
藤本 康弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335281)
亀井 秀弥 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80422773)
羽賀 博典 京都大学, 大学院医学研究科, 助手 (10252462)
中村 栄男 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80180363)
|
Keywords | 小児肝移植 / 自己免疫性肝炎 / 組織クロスマッチ / 拒絶反応 / 抗核抗体 / 抗平滑筋抗体 / 免疫グロブリン / 慢性拒絶 |
Research Abstract |
研究代表者の施設にて施行された小児生体肝移植症例、他施設にて生体肝移植を施行され当施設にて追跡中の小児生体肝移植症例を対象とした。前年度から引き続き、移植後新規自己免疫性肝炎(de novo autoimmune hepatitis(AIH))を発症した症例について、その発症時、軽快時の血清を用い、肝組織との間で組織クロスマッチを行い、特異的反応の同定を行った。 その結果、胆管細胞や門脈・肝静脈血管壁に抗原抗体反応を認めたが、これらの反応は非特異的であり、de novo AIHの背景を持たない症例においても同様の反応が見られた。移植肝に対し何らかの抗体産生が起こり、このような反応が生じたことが想定される。一方、同時に行った胆管消失型慢性拒絶症例の解析では、胆管細胞に強い反応が認められており、胆管細胞での抗原抗体反応の臨床的意義の解明により、今後の治療法開発に大きな示唆が得られるものと期待される。 また、肝提供者自身の血清、移植患者の術前血清、術後早期の血清(術直後、1週間後、1ヶ月後)それぞれと提供肝組織との間で組織クロスマッチを行い、移植肝に対していつの時点で新たな抗体産生が行われているかを観察し、その臨床的意義について検討を進めた。一部の症例において、肝移植前の血清と肝組織の間では認められない抗原抗体反応が移植直後の血清では認められた。この反応は肝組織の門脈領域周囲(zone 1)の肝細胞に集中していており、1週目、1ヶ月目と反応が増強する傾向が見られた。一方、移植前後で反応に変化が見られない症例もあった。このことから、一部症例において、肝移植に伴い移植肝に対する新たな抗体が産生されていることが解った。
|
Research Products
(9 results)