2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝幹細胞を用いた類肝組織形成とその類肝組織を組み込んだ人工肝臓モデルの研究
Project/Area Number |
17390353
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
三高 俊広 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (50231618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20274227)
今 純子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40398318)
市戸 義久 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80452978)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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Keywords | 再生医学 / 小型肝細胞 / オーバル細胞 / 分化 / 増殖 / 肝前駆細胞 / ヒト肝幹細胞 / CD44 |
Research Abstract |
ラット肝幹細胞であるOval細胞の分化過程をIn vitro及びIn Vivoで検討した。CD44を小型肝細胞マーカー、Thy1をオーバル細胞マーカーとしてD-Galactosamine(GalN)肝障害モデルラットからそれぞれの細胞を分離し実験に用いた。GalN投与2日目ではまだThy1陽性細胞の分化の方向性がはっきり決まっていないが、CD44を発現した細胞は肝細胞への分化が決まる。Oval細胞の肝細胞への分化は、Thy1+/CD44- →Thy1+/CD44+ →Thy1-/CD44+→Thy1-/CD44-(肝細胞)と考えられる。Retrorsine/PHラットへの移植実験の結果も上記仮説を裏付けるものであった。またThy1+細胞は胆管上皮細胞へ誘導可能であるが、CD44+細胞はできなかった。CD44のリガンドであるヒアルロン酸コートディッシュ上で小型肝細胞は無血清培養液でも選択的に増殖し、その増殖はFollistatinを分泌することによりActivinAの増殖抑制作用を阻害することによることを見出した。正常ヒト肝組織からもヒアルロン酸と無血清培養液を用いることにより、ヒト小型肝細胞を分離することができた。ヒト小型肝細胞は3週間で約100倍増殖し、ラット小型肝細胞マーカーであるCD44,D6.1A,BRI3を発現していた。またC/EBPαやCYPなど分化関連遺伝子の発現やアルブミン分泌能があった。正常ラット肝臓から胆管上皮細胞を分離しコラーゲンゲル上で培養すると増殖し未熟な胆管形成を見るが、増殖後にコラーゲン膜で被覆しDMSOを投与することにより形態的にも機能的にも分化した胆管を形成させることに成功した。
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