2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容誘導機序の解明および免疫制御細胞療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
17390355
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梨井 康 国立成育医療センター(研究所), 移植・外科研究部, 室長 (60321890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 健二郎 獨協医科大学, 医学部・解剖学(マクロ)講座, 教授 (20094047)
木村 広光 国立成育医療センター(研究所), 共同研究管理室, 室長 (80115477)
藤 直子 (舟島 直子) 国立成育医療センター(研究所), 共同研究管理室, 流動研究員 (60399483)
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Keywords | 制御リンパ球 / 補助シグナル分子 / GVH反応 / 心移植 |
Research Abstract |
本年度の研究では、(1)免疫制御リンパ球における免疫寛容関連遺伝子の同定:移植後免疫寛容が誘導された生体肝移植患者およびラット移植動物モデルのリンパ球における遺伝子解析より、リンパ球の活性化に関与する事が知られているco-stimulatory分子群に属する遺伝子が、今まで考えられていた以上に深く関与する事が明らかにした。(2)生体外における免疫制御細胞の調製および機能解析:CTLA4Ig、抗ICOS抗体存在下で免疫制御リンパ球の調製を行い、その免疫抑制効果について検討した結果、アロ抗原及び抗CD3、CD28抗体、IL-2等による刺激に対するこれらリンパ球の反応は著明な増殖反応の低下を認め、リンパ球混合培養(MLR)に加える検討では、細胞数に依存した強いリンパ球増殖抑制効果を示した。また、RT-PCRを用いた検討では、IL-10の発現が顕著に認められ、IL-2,IFN-γの発現が低下していた。PLN assayではnaive Lewisリンパ球群においてPLNの顕著な増大(平均101.5mg)を認めたのに対し、免疫制御リンパ球のみを投与した群では全く増大を認めなかった(平均6.9mg)。放射線照射後心移植モデルでの検討ではnaiveリンパ球のみを移入した群(平均11.0日)と比較して、naiveリンパ球に等量免疫制御リンパ球を加えて移入した群(平均17.5日)では心臓グラフトの有意な生着延長効果が認められた。さらに免疫制御リンパ球のみを移入した群ではグラフトが永久生着したラットも認めた。本研究でCTLA4Ig、抗ICOS抗体存在下で得られた免疫制御リンパ球はアロ抗原に対する不応答のみならず、強いリンパ球増殖抑制能を有していることがin vitro及び局所GVH反応、臓器移植モデルにて示された。この細胞は抑制性サイトカインの一つであるIL-10を高発現しており、抑制能との関連性が示唆された。
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Research Products
(6 results)