2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト成体肝幹細胞の分化・増殖に関与する因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
17390362
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三輪 史郎 信州大学, 医学部付属病院, 講師 (20293516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 眞一 信州大学, 医学部, 教授 (80229806)
中田 岳成 信州大学, 医学部付属病院, 助手 (70377638)
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Keywords | 移植・再生医療 / 幹細胞 |
Research Abstract |
1.劇症肝炎肝における肝幹細胞の解析 劇症肝炎時に出現する肝幹細胞はreactive ductulesであると考えられている。Cellular senescenceを解析することによりこれら細胞群は周囲肝細胞、胆管細胞より明らかに幼弱であり今までの報告を裏付けるものとなった。Integrinの解析からは正常胆管と似通った発現パターンを呈するものの、beta-1,alpha 6 integrinの発現増加、alpa 5 ingegrinの低下を認めるといった特徴を認めた。さらにこれらの細胞群でのNCAM,c-metの発現増強を認めたが、正常、病態胆管での発現も弱いながら認めるため、さらに特異的な肝幹細胞を認識するマーカーを現在解析中である。 2.肝幹細胞周囲の細胞群の同定、周囲matrixの構成の解析 Reactive bile ductulesはlamiminによって囲まれ、周囲にはalpha-SMA陽性細胞が多数観察された。また周囲ではcollagen type IV,tenascinの発現の増強を認めた。それに対応してreactive ductulesにbeta-1,alpha 6 integrinの発現増強を認め、周囲マトリックスと密接な関係を持っている可能性が示唆された。またreactive ductulesから肝細胞への分化が確認される領域において特異的にHGF,TGF beta-1の発現の増強を認め、またそれらの受容体の発現の増強もreactive ductulesに確認されたことより、これら肝幹細胞と考えられる細胞群の増殖、分化誘導にはこれら環境因子が重要な働きを果たしていることが推測された。 以上の研究成果に関しては第56回アメリカ肝臓病学会(San Francisco,11月13日)で発表し、科研費補助を受けた旨報告した。さらにこれらの成果に関しては現在英文論文投稿準備中である。
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