2005 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌術後補助療法としてのNY-ESO-1総蛋白を用いた癌免疫療法
Project/Area Number |
17390366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土岐 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20291445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 卓司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324782)
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40314330)
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00301268)
宮田 博志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80362713)
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Keywords | NY-ESO-1 / 食道癌 / 免疫療法 / 癌抗原 / 術後アジュバント / 蛋白免疫 |
Research Abstract |
(1)「食道癌患者の対象の改訂」術後アジュバントとしてNY-ESO-1蛋白ワクチンを使用する場合に、StageIII、IVa食道癌根治手術症例を対象にした。しかし、1)術前補助療法なしstage III食道癌根治手術症例では、NY-ESO-1発現腫瘍患者の無再発生存率が非常に良好であること、2)ほとんどの食道進行癌患者に対し行っている術前化学療法後の根治手術症例では、転移リンパ節個数が3個以下であれば無再発生存率が非常に良好であること、が最近明らかになった。このため、術前化学療法後進行食道癌根治手術症例で転移リンパ節個数が4個以上、のNY-ESO-1発現腫瘍患者を対象とすることとした。この症例群におけるNY-ESO-1発現の有無での無再発生存率の差を解析したところ、差はなかった。 (2)「細胞性免疫モニタリング法の改訂」患者末梢血中CD8陽性T細胞をNY-ESO-1組み換え型アデノウイルス・ワクチニアウイルスを用いた細胞にて、あるいはNY-ESO-1 mRNAを導入した樹状細胞にて刺激・反応させ,IFNγ産生細胞をELISPOT法にて検出することにより、NY-ESO-1特異的反応を解析する、という方法では結果が不安定であることが分かった。そこで、重複する連続NY-ESO-1ペプチドを付加した細胞を抗原提示細胞とした新規測定方法に変更した。 (3)「NY-ESO-1蛋白を用いた進行食道癌症例に対する臨床第一相試験」すでに6例の食道癌患者が参加した。重篤な副作用はまったく見られておらず、免疫学的モニタリングとしての液性免疫は全例でNY-ESO-1抗体価の上昇が見られた。細胞性免疫は、上記新規評価法にてNY-ESO-1特異的CD4,8T細胞反応の上昇が見られる症例を確認した。臨床効果としては、腫瘍の消褪が見られる患者も存在した。
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