2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌手術におけるテロメラーゼ活性を指標とした蛍光ナビゲーション・システムの開発
Project/Area Number |
17390381
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 俊義 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00304303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 俊輔 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00362971)
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Keywords | テロメラーゼ / アデノウイルス / hTERT / ウイルス療法 / 遺伝子治療 / 診断 |
Research Abstract |
昨年までに、アデノウイルスの増殖に作用する初期遺伝子であるE1AおよびE1Bを酵素テロメラーゼの構成分子であるhTERT遺伝子のプロモーターで駆動することで、癌細胞のみで増殖してGFP蛍光を発する診断用ナノバイオ・ウイルス製剤TelomeScan (OBP-401)を作成した。平成17年度は、TelomeScanの感染によりin vitroおよびヌードマウス背部腫瘍モデルによるin vivoで、非小細胞肺癌細胞に選択的にウイルス増殖とGFP発現が認められることを確認した。本年度は、非小細胞肺癌細胞の胸腔内投与による胸膜播種モデルを作成し、TelomeScanの胸腔内投与による播種巣の標識効率を検討した。ヌードマウスの胸腔内に27G針を用いて2×10e6個のA549ヒト非小細胞肺癌細胞を移植すると、約4週間後に胸骨縦切開による開胸下に観察可能な大小不同の胸膜播種結節を形成する。このこのヒト肺癌胸膜播腫モデルにおいて、1×10e plaque forming units (PFU)のTelomeScanを胸腔内に投与し、5日後に開胸にて胸腔内を観察した。マクロ観察用キセノン光源にて励起し、高感度カラーチルド3CCDカメラにて撮影、専用の画像解析ソフトにて処理後にPCモニター状にイメージングした。肉眼的に認識可能な大結節では、表層に斑状のGFP蛍光発現が認められた。また特記すべきことは、肉眼的に判別困難な微小な播種組織も鮮明なGFP蛍光で捉えることが可能であった。以上より、TelomeScanを用いた腫瘍検出技術は、簡便であり、微小癌の発見に有用であるとともに、潜在的な胸膜播種を検出する優れた外科ナビゲーション・システムとなりうる。申請当初に予定していた同所性肺癌リンパ節転移モデルは、種々の肺癌細胞株を用いて検討したが作成が困難であった。したがって、肺癌リンパ節転移をTelomeScanの原発巣内投与で検出可能であるか否かは検討できていない。
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Research Products
(4 results)