2005 Fiscal Year Annual Research Report
心血管形成機序の解明と冠動脈の発生・発達からの虚血心筋への新生血管誘導法の開発
Project/Area Number |
17390386
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
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Keywords | 冠動脈 / 血管新生 / 虚血 / 再構築 / 誘導 |
Research Abstract |
虚血性心疾患の治療方法に関して最近10年の進歩はめざましく、特に再狭窄予防を目的としたステントの改良、冠動脈バイパス術における動脈グラフトの使用は全死亡率および心事故率の改善に大きく寄与していることが示唆されている。ところが冠動脈の発生に関しては未知の部分が多く、冠動脈は横中隔septum transversum由来のproepicardial organ (PEO)組織から形成されることは明らかにされたが、冠血管の発生について分子レベルにおけるメカニズムに関する研究は始まったばかりである。冠動脈における血管新生は他の血管系と異なるのか、同じシグナル分子が働くのか、PEO上皮細胞が心臓に遊走を促す因子は何か、心外膜から産生されるシグナル分子は何か、それらのシグナルは他の部位での上皮-間葉転換システムとの違い、間葉細胞の制御方法、など未だに解明されていない項目が多数ある。本研究を始めるにあたってのreview「冠動脈の発生と発達に関する最近の知見」(冠疾患学会雑誌、2004年)から問題点を抽出しても解決せねばならないことが多数あることがわかる。本研究では冠動脈の発生・発達を理解し、虚血性心筋への新生血管誘導法を検討することを目的とした。本研究を行うことにより、臨床の現場で問題になっている外科的血行再建術を用いても再建できない細小血管の領域を治療する糸口がつかめる可能性を考えた。
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