2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における遺伝子診断による分子ステージングの確立と治療指針の開発
Project/Area Number |
17390388
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00309965)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 助手 (90389445)
菅谷 将一 産業医科大学, 医学部, 助手 (40352306)
仲田 庄志 産業医科大学, 医学部, 助手 (40373154)
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Keywords | 肺癌 / 分子ステージング / 遺伝子発現 / 予後因子 / 分子標的 / EGFR / gefitinib / p53 |
Research Abstract |
肺癌において、分子生物学的特性を加味した分子病期分類(分子ステージング)を確立するために、今年度、以下の研究を行い、成果を得た。 1.バイオバンクの構築:倫理委員会承認の基で適切なインフォームド・コンセントを得て、手術摘出標本や生検による癌組織、正常組織の凍結保存、DNA抽出と保存を行った。 2.遺伝子発現プロファイルによるバイオマーカーの確立:非小細胞肺癌に関係する因子(K-ras,p53,p27,p16,E-cadherin,β-catenin,TSP-1)の蛋白発現を免疫組織学的に解析し、異常因子を多く有する症例ほど病期が進んでおり、また有意に予後不良となることを示した。これらは分子ステージングの分子マーカーとなる可能性がある。また、p53familyの解析を行い、p53,p73,p63,deltaNp63の意義について報告した(Lung Cancer, 2005, Anticancer Res, in press)。 3.分子標的解析:分子標的薬であるgefitinibとEpidermal Growth Factor Receptor(EGFR)遺伝子変異との関連を薬剤感受性、耐性の観点から解析した。まず、EGFRのexon19と21の変異に関して、簡易スクリーニング法を開発した。本法で469例の非小細胞肺癌のEGFR変異の有無を解析し、腺癌322例中の136例(42.2%)に変異を認めた。変異は女性、高分化型、非喫煙者に高頻度に認められ、かつ喫煙指数および禁煙期間と相関した。また、EGFR変異とK-ras変異は排他的関係であった(Br J Cancer, in press)。Gefitinib投与症例の奏効率はEGFR変異症例で有意に高く、かつ予後良好であることを認めた(Lung Cancer, 2006)。さらにgefitinib耐性症例もしくは耐性獲得症例では、異なる変異が認められることを見いだし、その機序について解析中である。
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Research Products
(13 results)