2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサージエリーロボティクスの展開と微小外科手技のデジタル情報化の研究
Project/Area Number |
17390393
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 明夫 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (60302725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三石 衛 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (90183110)
割澤 伸一 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (20262321)
小野木 雄三 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90233593)
楚良 繁雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60359627)
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Keywords | 脳・神経 / 医工学 / ロボット工学 / シュミレーション工学 / 微細手術 |
Research Abstract |
本年度はロボティックさジェリーシステムの完成度を向上しさらに微小外科技術のデジタル化の基礎実験をおこなった。まず昨年度までに構想されたオフセット型マイクロサージェリー鉗子を、問題点を克服すべくデザインし、さらに実機として完成させた。また腕を動かすことによって3次元位置情報・運動情報を伝えるために手先だけで手術を行う微小外科用としては不適切であったこれまでのマスターを改良し、手首や指の動きでかなりの運動指令を行うことのできるマスターを開発した。その上でまず(1)滅菌性の確認(2)易操作性の追及(A:易操作性を獲得するための適正運動縮小率およびB:非習熟者によるLEARNIG CURVEの測定(3)単純なロボット動作のデジタル解析をおこなった。(1)滅菌性の確認ではガス滅菌したロボット鉗子を清潔操作で駆動部(非滅菌)に装着し、2時間操作。その上で鉗子先端の無菌状態を培養で確認した。(2)-A:易操作性はあるTASKを終了するまでの時間が短いことが、術者にとっての易操作性であるという判断のもと、適正縮小率を最もTASK完了時間のもっとも短いものとした。これは5倍が最も操作が早く、それ以降倍率があるごとに操作性が落ちることが判明した。しかし5倍では精度が落ちるため、我々は通常10-20倍が適正操作縮小率であると考える。(2)-B:ロボット手術、マイクロ手術とも習熟していない工学部学生3名に当該システムで微小血管吻合をおこなってもらった。約5回の操作1時間以内に手術手技の操作時間はプラトーに達し、当該システムのLearning curveは極めて急であることがわかった。また(3)単純ロボット動作のデジタル解析をおこなった。微小血管モデルを縫合する際のマスターの動作を3次元的に位置情報、スピード情報、加速度情報に分離した。マスター動作の最大速度は100mm/sec、最大加速度は1000mm/sec2であることがわかった。また今回の術者は右と左を交互に動かす癖があり、また加速度の立ち上がりが急峻であることから、操作がややぎごちないことがわかった。この様な数値解析から、マイクロ動作のスムースさ(習熟度)、安全性、また熟達した術者のアーカイブの作成がデジタル情報として解析できることが判明した。今後さらにマスタースレーブの改良を加え、臨床応用に近づけるとともに、微小外科手術のデジタル評価方法の確立およびアーカイブの作成、さらに自動運動の評価を行なってゆく。
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Research Products
(2 results)