2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入技術を用いた神経回路標識法による脳神経機能局在の可視化に関する基礎研究
Project/Area Number |
17390396
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加藤 一郎 富山大学, 医学部, 助教授 (50250741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 浩永 富山大学, 附属病院, 助手 (70313608)
遠藤 俊郎 富山大学, 医学部, 教授 (70125269)
高澤 久美 富山大学, 医学部, 助手 (50359709)
|
Keywords | 神経回路 / 神経細胞 / アデノウィルス / 緑色蛍光蛋白質 / 遺伝子導入 / 逆行性軸索輸送 / 投射ニューロン / 機能マッピング |
Research Abstract |
本研究の目的は神経回路標識法として蛍光蛋白質(Fluorescent Protein)遺伝子を組み込んだ非増殖性組換えアデノウィルスをマウスやラット脳のさまざまな部位に注入して、神経回路を可視化することにある。平成17年度の研究は以下の通り順調に進行した。 1.オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子(EGFPcDNA)を強力なCAGプロモーターを含むコスミドベクターpAxCAwtit(宝バイオ社)のSmiI siteに挿入し、組換えコスミドを作製した。 2.この組換えコスミドのアデノウイルス部分を欠いたものをCOS-7細胞に導入し、EGFPの発現を蛍光顕微鏡で確認した。 3.この組換えコスミドを宝酒造のAdenovirus Expression Vector kitのプロトコルに従い、293A細胞に導入して、EGFP遺伝子を含む組換えアデノウイルス(AdexEGFP)を得た。 4.目的のアデノウイルス(AdexEGFP)を293A細胞に段階的に感染させることで増幅させた後、精製した。この最終標品の力価は5.0x10^9pfu/mlであった。 5.AdexEGFPを培養ほ乳類細胞に感染させ、EGFPの発現を蛍光顕微鏡で確認した。 今年度の成果により得られたアデノウイルス(AdexEGFP)をマウスやラットなどの小動物に筋注して標的神経にアデノウィルスを感染させることにより、神経細胞に遺伝子導入を行うことが可能になった。レポーター遺伝子としてGFP遺伝子を用いているので、感染した神経細胞には緑色蛍光蛋白質Green Fluorescent Protein(GFP)が発現する。この技術を応用することによって、特定の投射ニューロンを蛍光顕微鏡下に可視化させることができ、神経細胞・神経軸索のカラー化による真の意味での脳機能マッピングの実現が期待される。
|
Research Products
(17 results)