2005 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞を用いた悪性脳腫瘍に対する遺伝子・細胞治療の研究
Project/Area Number |
17390402
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田宮 隆 香川大学, 医学部, 助教授 (50252953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 省吾 香川大学, 医学部, 教授 (60100947)
河井 信行 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (40294756)
松本 義人 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (80311827)
三宅 啓介 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (00398033)
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Keywords | embryonic stem cell / neural stem cell / glioma / gene therapy / transplantation |
Research Abstract |
我々は以前より、種々のウィルスベクターの開発と、悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療の研究を行ってきたが、今回更にこの研究を発展させるために、胚性幹細胞(ES細胞)を用いて、神経幹細胞に誘導し、この神経幹細胞に種々の免疫系を賦活させる遺伝子、あるいは薬剤感受性遺伝子を導入し、脳腫瘍に対する最も効果的な遺伝子・細胞治療についての研究・開発を行う。 全能性を示す胚性幹細胞(ES細胞)から、培養下で神経系前駆細胞を誘導方法も開発され、ES細胞から誘導した神経幹細胞は培養下で増幅することも可能であり、この神経幹細胞自体に、抗腫瘍効果があることが報告され注目されている。今回、この神経幹細胞の腫瘍内での遊走性や浸潤性を明らかとするために、GFP遺伝子などのマーカー遺伝子を導入した神経幹細胞に、urokinase plasminogen activator (uPA)、urokinase plasminogen activator receptor (uPAR)、p16、matrix metalloproteinase-9などの遺伝子を導入した。それらの遺伝子導入神経幹細胞の遊走性、浸潤性、angiogenesisなどの変化を検討し、脳腫瘍の治療に有効な神経幹細胞を作成している。今後、これらの遺伝子操作により遊走性、浸潤性に優れた神経幹細胞に、サイトカイン遺伝子(IL2、IL4、IL12、GM-CSFなど)あるいは薬剤感受性遺伝子(Cytosine deaminase,、E.coli gptなど)を導入し、その抗腫瘍効果を検討する。 また、コリン作動性神経細胞に分化する神経幹細胞を樹立し、マウスの外傷脳モデルやAlzheimer病モデルに移植して、その神経移植の有効性を明らかとし、論文に発表した。
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Research Products
(3 results)