2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおける免疫抑制機構の解明と自殺キメラ分子を用いた腫瘍免疫賦活療法
Project/Area Number |
17390405
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70244134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
倉津 純一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
|
Keywords | グリオーマ / 腫瘍免疫 / MCP-1 / TGF-b |
Research Abstract |
悪性グリオーマは、現在一般的には手術・放射線療法・化学療法を組み合わせた集学的治療により加療をされているが、治療に対して抵抗性を示し、5年生存率に明らかな向上は認められていない。近年、分子標的をはじめとする新たな治療法が台頭しているが、実際にはいまだ満足のいく結果が得られていない。その原因の1つとして、グリオーマ局所における腫瘍免疫の抑制があることが提唱されてきた。これらの問題を解決することが、今後のグリオーマの治療成績の向上の鍵を握る重要な問題であると思われる。 その糸口を見つけるために、本研究において我々は悪性グリオーマにおけるリンパ球抑制物質の同定・解析を行うことにした。その第一段階として、組織マイクロアレイヤーを用いて、約80症例からなる組織マイクロアレイを作成した。これをもとにリンパ球機能抑制を持つTGF-βの染色と腫瘍の悪性度、予後との対応を調べたが、明らかな相関は得られなかった。このことは、従来key moleculeと考えられていたTGF-β以外にもグリオーマの免疫抑制活性に関与する分子が存在する可能性を示唆する。現在、さらに多数のサンプルの解析を行うべく組織アレイの作成を行うと同時に、その他の抑制分子を用いた免疫組織科学的解析を行っている。 なお、腫瘍破壊と抗原提示を同時に行う治療戦略としての、MCP-1の膜型化キメラ分子を作成するプロジェクトは、現在進行中であり、ケモカインMCP-1とFasのキメラ分子のコンストラクトを行っている。
|