2006 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおける免疫抑制機構の解明と自殺キメラ分子を用いた腫瘍免疫賦活療法
Project/Area Number |
17390405
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (70244134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (20145296)
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 腫瘍免疫 / MCP-1 / TGF-β |
Research Abstract |
悪性グリオーマは、現在のところ手術・放射線療法・化学療法を組み合わせた集学的治療によって治療が行われている。近年、新規抗ガン剤の出現など、それぞれの分野における治療法の進歩により、有意な生存期間の延長がはかられているものの、わずか数ヶ月程度であり、いまだ満足にはほど遠い状況である。 我々自身のこれまでの研究成果より、免疫提示能を持つマクロファージの腫瘍局所への浸潤は明らかであるのに、これに引き続く細胞性免疫の賦活が不十分であるという事実が、脳腫瘍の治癒を目指す治療への障壁として横たわっている。本研究で注目したものは、悪性グリオーマにより産生される免疫抑制物質に対する解析とその抑制法の開発である。 まず、100サンプルよりなる脳腫瘍組織のマイクロアレイを作成して、これまでに知られているTGF-Rの網羅的解析発現を解析した。この発現を腫瘍患者の悪性度や予後などの因子と相関を調べた。グリオーマにおいてはいずれの組織でも発現が見られたが、発現の程度と予後との明らかな相関は見られず、予後規定因子としてTGF弔以外の免疫抑制物質の存在が示唆された。また、TGF-βの発現も均一ではなく各細胞間により発現レベルの差を認めたため、今後、蛍光抗体法を用い、TGF-βの発現する細胞種類に焦点を当て、腫瘍細胞や浸潤白血球の発現に関する解析を行う。
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