2006 Fiscal Year Annual Research Report
PlateletRichPlasma(PRP)を利用した骨軟骨欠損修復法の開発
Project/Area Number |
17390408
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
和田 佑一 帝京大学, 医学部, 教授 (10282485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 剛司 帝京大学, 医学部, 講師 (80407915)
中川 晃一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30400823)
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Keywords | Platelet-rich Plasma(PRP) / 骨軟骨欠損 |
Research Abstract |
1, Platelet-rich Plasma(PRP)+ハイドロキシアパタイト(HA)インプラントの作製 直径が5mmで、厚さ2mmのHAブロック(PENTAX社製、CELLYAD^<TM>)を用いた。ウサギより麻酔下に血液(1羽あたり50ml)を採取し、専用の遠心器を用いてPRPとPlatelet-poor plasma(PPP)を精製した。気孔率50%,70%,85%で作製したHAブロックをそれぞれPRPまたはPPPに浸した状態でトロンビン溶液を加え、フィブリンゲル化させた。PRP、PPPゲルはともにHA中の気孔内に浸透し、HAインプラントが形成可能であった。 2, PRP+HAインプラント上での軟骨細胞の培養 ウサギの膝、肩関節より軟骨を採取して細胞を単離し、Alginateビーズ内に包埋した。気孔率50%,70%,85%のPRP(またはPPP)+HAイソプラント上で軟骨細胞の培養を2週間培養し、細胞増殖(DNA含有量)および基質合成(プロテオグリカン含有量)を検討した。PRP群ではPPP群に比べて、有意にDNA量が増加した。ビーズあたりのプロテオグリカン(PG)含有量はPRP群でやや増加する傾向にあった(有意差なし)が、DNA量で補正した値(PG/DNA)はPRP群で有意に減少していた。すなわち、PRP+HAインプラント上での培養により、細胞増殖が促進され、全体のPG含有量も増加するが、細胞あたりのPG含有量は低下するという結果となった。気孔率85%のもので最も細胞増殖効果が強く、これはHAへのPRPの浸透ならびに、PRP内増殖因子のHAへの吸着がより優れているためと考えられた。 3, PRP+HAインプラント上での移植用軟骨組織の培養 Alginateビーズ内で2週間培養した軟骨細胞を用い、alginate-recovered-chondrocyte(ARC)によりて移植用の軟骨組織を作製した。これをPRP(またはPPP)+HAインプラント(気孔率85%)上で2週間培養し、細胞増殖(DNA含有量)および基質合成(PG含有量)を検討した。PRP群ではPPP群と比較し有意な細胞増殖およびPG合成促進効果を認めた(PG/DNAは低下)。組織学的には、PRP群においてトルイジンブルー染色の染色性はやや低下していたが、II型コラーゲンの染色性は亢進していた。以上より、PRP+HAインプラントは、移植用軟骨に対して主に細胞増殖効果、コラーゲン合成促進効果を有するものと考えられた。
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Research Products
(5 results)