2005 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞分化制御と関節内移注による生物学的関節再建
Project/Area Number |
17390415
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
木村 友厚 富山大学, 医学部, 教授 (80167379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 善治 富山大学, 附属病院, 講師 (00262527)
下条 竜一 富山大学, 医学部, 助手 (00359712)
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Keywords | 軟骨 / 間葉系細胞 / 変性 |
Research Abstract |
1.P53KOマウス由来のmesenchymal cellであるN1511細胞を用い、これをin vitroでBMPとinsulin存在下で培養して分化誘導をかけた。本細胞が前軟骨細胞から成熟した軟骨細胞へ分化誘導が可能であることを、real-time PCRでのAGCおよびII型コラーゲン遺伝子発現解析、およびアルシアンブルー染色で確認した。本培養系で分化誘導後3日目の細胞は、軟骨分化形質を発現開始した直後であることを知り、このステージの細胞を関節修復をめざした細胞移植に用いることとした。 2.ヌードラットの膝関節に閉鎖的に軟骨全層欠損を形成。その後に、上記の分化誘導細胞を高密度1x10^7cell/mlで関節内注射投与(移注)した。細胞は予めCellTracker orangeでラベルした。関節内での細胞の運命を蛍光顕微鏡で追跡した結果、投与細胞は滑膜表層および軟骨欠損部に付着した。投与後2週目までには、細胞は滑膜下層に埋入するとともに、軟骨欠損部修復組織中では骨髄よりの間葉系細胞とともに存在した。軟骨修復を経時的に組織学的に検討すると、高密度細胞投与群では、軟骨修復、ことに欠損部のfillingと硝子修復が有意に改善していた。このことは、scaffold-freeでの高密度分化制御細胞投与が、いわば細胞supplementationとして、軟骨修復に有効に働く可能性を示している。 3.軟骨の生物学的再建の一端として、軟骨マトリックスとシグナル制御による軟骨変性・修復の可能性を明らかにするために、軟骨変性感受性遺伝子であるCILPを組織特異的に発現させるためにCol11a2の各種プロモーター・エンハンサーを用いてTgマウス作成のためのコンストラクト作成を行い、数ラインのTgマウスを作成した。
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Research Products
(2 results)