2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390421
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 雅也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30217898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40129549)
石井 賢 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00276289)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経幹細胞 / コンドロイチナーゼABC / 移植 / 再生 / Bio-imaging |
Research Abstract |
損傷脊髄に対する神経幹細胞移植とC-ABCの併用 われわれは脊髄損傷に対する神経幹細胞移植の有効性を報告してきたが、損傷部脊髄内にはコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)が発現し軸索再生を阻害することが知られている。そこで、損傷脊髄に対する神経幹細胞移植にCSPGを分解するChondroitinase ABC(C-ABC)を併用し、その効果を検討した。先ず、C-ABCのくも膜下腔持続投与により損傷脊髄内のCSPGは正常脊髄レベルまで分解されていた。さらに神経幹細胞移植との併用により、移植した神経幹細胞はグリア瘢痕を越えて広範囲に移動し、旺盛な再生軸索が損傷部にみられた。これらの結果は、慢性期脊髄損傷に対する再生医療の扉を開けるものであり、有意義と考えている。 Bio-imagingを用いた損傷脊髄に対する神経幹細胞移植時期の検討 損傷脊髄に対する神経幹細胞移植の至適時期を検討するために、bioluminescence imaging system(BLI)を用いて移植神経幹細胞の経時的動態(生存率、体内動態など)を評価した。成体マウス脊髄損傷モデルを作製し、損傷直後(急性群)と9日後に(亜急性群)、flucならびにvenous geneをlenti virusで遺伝子導入したマウス神経幹細胞を損傷部に移植した。移植直後よりBLIを用いて移植細胞の生存を定量的に評価した。移植細胞の生存は両群とも移植後4日で約20%に激減したが、その後は比較的安定していた。移植後6週における両群の移植細胞の生存率に有意差はみられなかった。しかし、両群間で細胞のphenotypeや細胞形態に大きな違いがあり、特に急性群では約90%の移植細胞がアストロサイトへと分化していた。以上の結果より、損傷脊髄に対する神経幹細胞移植は損傷後急性期よりも亜急性期のほうが適していると考えられた。
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Research Products
(6 results)