2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学に基づく肺保護タンパクを用いた新しい急性肺障害治療法の開発
Project/Area Number |
17390424
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小谷 直樹 山形大学, 医学部, 教授 (30205405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 北海道大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60196334)
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
中島 修 山形大学, 医学部, 助教授 (80312841)
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Keywords | 急性肺障害 / エラスターゼ / 遺伝子多型 / アンギオテンシン変換酵素 / RT-PCR |
Research Abstract |
急性肺障害のメカニズムの究明ならびに治療法の開発は術中および術後管理において非常に重要なテーマである。我々はその中で、好中球エラスターゼが最も重要な指標となることをこれまでの報告で明らかにしてきた。しかしながら急性肺障害における好中球エラスターゼの反応性は個人毎に異なっており、予測が困難である。本年度はこの点に関して、個体における反応性の違いがどのような因子によって規定されるのか、あるいは相関するのかという点について研究を行った。 我々はまず遺伝子多型に注目し、文献検索を行うことにより幾つかの候補遺伝子について検討する計画を立て、本年度はまず最初に呼吸循環系に重要な役割を果たすアンギオテンシン変換酵素(ACE)に着目し、この遺伝子多型解析の実験系をセットアップした。ACEの遺伝子多型にはDD型、DI型、II型があり、これらの多型を解析するためのブライマーの合成を行った。次に、ヒト血液(申請者)からDNAを抽出する実験系を確立し、RT-PCR法を用いて多型解析の予備実験を行った。ヒト血液DNA100ngをテンプレートとしてPCR反応を施行し、その産物を2%アガロースゲル電気泳動で解析した。その結果、ACE遺伝子多型解析のためのPCR反応の実験プロトコールを確立し、多型を分類するための予備実験を終了した。今後、他の関連分子の遺伝子多型の予備実験も考慮し、また臨床症例のサンプルの取扱、保存方法等を検討する予定である。
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