2006 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤性膀胱癌に対する糖鎖改変による治療(グライコセラピー)は可能か?
Project/Area Number |
17390434
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 信 東北大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70282134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠一 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80235043)
沼畑 健司 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60359502)
伊藤 明宏 東北大学, 病院・助手 (70344661)
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Keywords | GM3 / アシアロGM3 / マウス表在性膀胱癌モデル / spreading assay |
Research Abstract |
本年度はヒト膀胱癌細胞に対する糖鎖抗原の発現様式と機能に関しての解析を中心に実験を行っている。 長鎖糖鎖抗原(GM2 SLex分子を含むネオラクト系糖脂質)を発現している膀胱がん細胞株(山形大学教室樹立株、その他膀胱がん細胞株)YTS-1に関し、GM3抗原そのものが及ぼす影響を検討した。 方法;1、GM3によるYTS-1細胞に対する抑制効果の検討 YTS-1細胞を96well plateに散布し、3時間後、培養液を0、50、200uMのGM3及びアシアロGM3を含んだ培養液に交換し、37℃でincubatorして、細胞の増殖能を検討した。 2、Spreading assayを用いた、GM3の細胞運動能に与える影響の検討 YTS-1細胞を35mm dishに散布し、時間後、培養液を200uMのGM3及びアシアロGM3を含んだ培養液に交換し、37℃でincubator24h後、Laminin5,Fibronectin coated dishに散布し、spreading assayを検討した。 3、正所性膀胱癌動物モデルに対するGM3抗原そのものによる抗腫瘍効果の検討 8週齢SCIDマウスを用いて、膀胱内トリプシン処理後、YTS-1細胞を膀胱内に入れ、正常性膀胱癌モデルを作製した。癌細胞を移植してから3日目、マウスをもう一度麻酔し、尿道カテーテルを入れて、GM3(200uM)、アシアロGM3(200uM)或いはPBSを100ul膀胱内に注入した。治療2週間後、マウスを屠殺し、腫瘍サイズ及び重量測定している。 結果; 1、外因性GM3投与により、200uMの場合は、YTS-1細胞の増殖を抑制効果が認められた。 2、外因性GM3投与により、YTS-1細胞のspreadingは遅くなることが明らかな判明した。 3、in vivoで、GM3を膀胱内に注入により、マウス膀胱腫瘍に対する抗腫瘍効果が認められた。
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