2007 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤性膀胱癌に対する糖鎖改変による治療(グライコセラピー)は可能か?
Project/Area Number |
17390434
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 信 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70282134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80235043)
伊藤 明宏 東北大学, 病院, 助教 (70344661)
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Keywords | GM3 / EGF-R / マウス膀胱癌モデル / 膀胱内注入療法 |
Research Abstract |
本年度はヒト浸潤性膀胱癌細胞に対する糖鎖抗原投与による増殖抑制、浸潤抑制のメカニズムの解析を行った。ヒト膀胱癌における、GM3の発現が癌の悪性度と大きく関連する(Satoh M, et. al, Int. J. Oncology19:723-731,2001; Watanabe R, et. al, Cancer Res62:3850-3854,2002)。今回、精製GM3を用いて、ヒト膀胱癌細胞及びマウス膀胱癌モデルでの増殖抑制効果、EGF-Rのリン酸化に与える影響について検討した。方法:ヒト浸潤性膀胱癌由来細胞YTS-1を用いて、GM3の増殖抑制効果をRT-CES system(Real-time cell electronic sensing)で測定した。GM3投与後のEGF-R燐酸化の変化はwestern blotにて観察。Cell adhesionはspreading assaysを用いて測定した。また、スキッドマウスを用いて、YTS-1の正所性膀胱癌モデルを作成し、CM3の膀胱内注入による治療効果を検討した。結果:GM3は膀胱癌細胞に対して、用量および時間依存性に増殖抑制効果を示した。また、GM3はYTS-1細胞に直接、接触することにより、EGF-Rの燐酸化を抑制し、細胞接着能を抑制した。さらにGM3は経尿道的膀胱内投与によって正所性膀胱癌モデルの増殖を抑制した。結論:GM3は膀胱癌に対しin vitroおよびin vivoにおいて抗腫瘍効果を示し、その作用機序としてEGF-Rのリン酸化阻害が考えられた。
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