2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養上清のProteome解析による尿路性器癌腫瘍マーカーの同定
Project/Area Number |
17390439
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 英二郎 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (90293878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
賀本 敏行 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00281098)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
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Keywords | 泌尿生殖器癌 / 診断マーカー / プロテオミクス |
Research Abstract |
1.膀胱癌浸潤に関与する尿中マーカー候補蛋白質の同定 ショットガンプロテオミクスにより浸潤と関与する蛋白質としてケモカインの1種であるCXCL1を見出した。細胞株では発現量と浸潤能に正の相関が認められ、免疫組織染色において正常尿路上皮では認めず浸潤性膀胱癌で発現が亢進していた。CXCL1遺伝子導入により浸潤能が亢進し、CXCL1siRNAによる機能抑制により浸潤能が抑制され、中和抗体を用いた実験でも同様の結果を得た。CXCL1による膀胱癌浸潤制御機構を解明するため、マイクロアレイで比較発現解析を行った結果、MMP13の発現がCXCL1と相関しており、臨床検体においても同様の相関が示唆された。尿中CXCL1発現量をELISA法にて測定したところ、コントロール群に比して膀胱癌患者群で有意な発現レベルの亢進を認め、腫瘍間では浸潤癌で発現が亢進していた。CXCL1は膀胱癌浸潤に重要な役割をはたしており、新規尿中マーカーとしての有望性が示唆された。 2.腎細胞癌の血清マーカーの同定 腫瘍マーカーの探索にむけて、血清を用いたショットガンプロテオーム解析を行った。担癌患者でのみ同定される蛋白質の中で癌組織でのmRNA発現が亢進している6種類の候補蛋白質を抽出した。2種の候補蛋白質についてはポリクローナル抗体を作製し、腎細胞癌細胞株並びに臨床検体においてWB・免疫組織染色を行ったところ、腎細胞癌において発現亢進が確認された。現在、血清ELISAの実験系を樹立しRCCのバイオマーカーとしての有用性を検討中である。
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Research Products
(3 results)