2008 Fiscal Year Annual Research Report
尿路上皮癌に対するサバイビン・ペプチドを用いた癌ワクチン療法の確立
Project/Area Number |
17390441
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
塚本 泰司 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (50112454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20295356)
田中 俊明 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50398327)
|
Keywords | 尿路上皮癌 / 免疫療法 / 癌抗原 / HLA class I抗原 / サバイビン / 腎細胞癌 |
Research Abstract |
1.尿路上皮癌に対するサバイビン・ペプチドワクチン療法の臨床第1相試験:当院IRBの承認(平成16年10月、平成19年4月)を受けて実施を継続している、種々の化学療法に抵抗性の進行性尿路上皮癌に対するサバイビン・ペプチド癌ワクチン療法は平成20年度までに合計9例で実施が可能であった。これまでに、サバイビン2Bペプチドワクチン0.1mg+IFA 1mg/週1回を4例に、サバイビン2Bペプチドワクチン1.0mg+IFA 1mg/週1回を5例に行った。前者の投与量では3例が6回投与を、1例が2回投与を受けた。後者の投与量では、3例:6回、1例:5回、1例:3回の投与回数であった。安全性に関しては問題がなく、臨床的に問題となる有害事象は経験しなかった。9例中2例に対象とした腫瘍の縮小(19.6%と17.6%の縮小)が得られた。サバビン・ペプチド・テトラマー解析では9例中5例でペプチド特異的CTLの有意な誘導が認められた。ワクチン投与毎にDHT皮膚試験を行い、2日後に判定したが陽性症例はなかった。 2.腎細胞癌に対する免疫療法の基礎的検討:われわれのこれまでの研究成果により、hypoxia-inducible factor-prolyl hydrooxylase (HIFPH)-3が腎細胞癌培養細胞株および癌組織で発現していることが確認された。HLA-A24結合モチーフを含む8つのペプチドの中で、HIFPH-3-8ペプチドがペプチド特異的なCTLを誘導することがわかった。誘導されたCTLは腎細胞癌培養細胞に対して殺細胞的に作用する結果も得られた。このペプチドを用いたワクチン療法も可能であると考えられた。
|
Research Products
(5 results)