2005 Fiscal Year Annual Research Report
上皮成長因子(EGF)受容体シグナル伝達経路を分子標的とする卵巣癌化学療法の開発
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17390445
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 健次 山形大学, 医学部, 講師 (80250934)
高橋 一広 山形大学, 医学部, 助手 (20292427)
早坂 直 山形大学, 医学部, 助手 (10375339)
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Keywords | 卵巣癌 / 分子標的治療 / EGF受容体 / シグナル伝達経路 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
EGF受容体以下のシグナル経路において、phosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)/Akt経路が活性化され、anti-apoptoticに働くことがシスプラチン(CDDP)に対する耐性化機序の1つとして重要である。そこで、今年度は当初の計画に加えて、PI3K inhibitor(wortmannin)がCDDP耐性卵巣癌に対する効果についても検討した。ヌードマウスにCDDP耐性株であるCaov-3を接種し、その後CDDPとwortmanninを単独または併用投与した。その結果、wortmannin(2mg/kg)とCDDP(5mg/kg)の併用投与により、1)腹部周囲径、腹水量、腹腔内腫瘍重量が各薬剤の単独投与に比べて有意に減少した(p<0.01)。2)CDDPにより促進される腫瘍細胞におけるAktのリン酸化が、wortmannin併用により抑制された(p<0.01)。3)単独投与に比較し、有意に腫瘍細胞のアポトーシス誘導を増加させた(p<0.01)。これらからPI3K inhibitorは、CDDP耐性卵巣癌において、CDDPの抗腫瘍効果を増強させることを明らかにした。この研究成果は国際的に高く評価されている雑誌に掲載された。その他、今年度の当初の計画に沿って実験を進め、以下の結果が得られている。CDDP単独投与に比べEGF受容体のシグナルを阻害するgefitinib(イレッサ)を併用することで、1)cell viabilityの抑制作用は増強し、2)apoptotic signalであるPARP(poly ADP-ribose polymerase)発現をより増強した。イレッサはCDDPが誘導するanti-apoptoticな作用を解除しapoptosisを増強することが示唆された。今後はin vivoの系において更なる研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Inhibitition of phosphatidy linostitol 3-kinase increase efficacy of cisplatinin in vivo ovarian cancer models.2006
Author(s)
Ohta T, Ohmichi M, Hayasaka T, Mabuchi S, Saitoh M, Kawagoe J, Takahashi K, Igarashi H, Du B, Doshida M, Mirei IG, Motoyama T, Tasaka K, Kurachi H.
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Journal Title