2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390448
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 正樹 Kanazawa University, 医学系研究科, 教授 (10127186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (50272969)
田中 政彰 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (70283140)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 分子標的 / 遺伝子治療 / 遺伝子診断 / 遺伝子メチル化 / エピジェネテイック変化 |
Research Abstract |
子宮内膜の発癌は多くの遺伝子の関与が知られている。これら遺伝子の変化・変異、細胞内の分子情報伝達系の異常が発癌の重要な役割をなすことがこれまでの我々の一連の研究で明らかとなってきた。これら情報伝達に絡む分子を早期に補足し、癌の診断・治療に役立てることを目的とした。正常子宮内膜、内膜増殖症、内膜癌の人体組織について各種遺伝子プロモーターのメチル化状態を検索した。正常内膜においてもhMLH1遺伝子メチル化が進行していることが明らかとなった。MLH1蛋白の発現もガン細胞のみならず周辺部の正常組織にも消失が見られた。これらは、発癌過程における遺伝子変化の中で早期変化であることが示された。正常→DNAミスマッチ修復遺伝子(MMR)のプロモーターメチル化→MMRの機能低下→遺伝子不安定→PTENなどの遺伝子変異→細胞増殖→癌への道順を示すものである。特に、MLH1遺伝子プロモーターのメチル化症例は有意差を持ってPTEN遺伝子のフレームシフト変異が多いことが判明している。P53変異はMLH1メチル化経路とは相関せず別の経路が推定される。現在、MMR遺伝子群の中で他の遺伝子、MSH3,MSH6,MLH3その他、hTERT,TGF-β、p53、K-Rasなどの遺伝子変異について検索中である。特に、WWOXは新規の癌抑制遺伝子で癌細胞に導入するとアポトーシスが誘導され発癌抑制に重要な役割をなすと期待される。多くの癌でメチル化による機能抑制が推測され早期診断の標的分子と期待される。同一症例における遺伝子発現、蛋白発現を、Laser capture microdissection法にて病変部を切り出し、組織形態と対比して検討する予定である。正常内膜における遺伝子メチル化現象と内膜癌の発生リスク因子などとの相関、年齢的因子など、遺伝子老化の観点から検討中である。
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Research Products
(7 results)