2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390452
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 慎一 東北大学, 医学部, 教授 (60144862)
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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Keywords | 子宮体癌 / 子宮内膜 / 幹細胞 / 分子標的治療 / エストロゲンレセプター |
Research Abstract |
1.幹細胞の発癌機構への関与 (1)同意の得られた患者から採取した正常子宮内膜を上皮と間質に分離後Hoechst33342で染色しFACSによりHoechst陰性のside population分画の細胞(以下SP細胞)を分取し、コラーゲンプレートや支持細胞上で培養した。上皮、間質ともに腺上皮マーカーCD9,間質マーカーCD13が陰性の分画にSP細胞が存在した。長期培養後、それぞれ腺上皮様(CD9陽性)、間質様(CD13陽性)の構造を形成した。よってこのSP細胞の中に、未分化な細胞が存在することが示された。 (2)活性化型K-Ras導入ラット子宮内膜細胞のSP細胞、NSP細胞を分取し、培養したところ、SP細胞は充実性に、NSP細胞は腺管を形成しながら増殖した。ヌードマウスへ接種したところ、SP細胞はNSP細胞に比べ、サイズが大きく浸潤能が高い腫瘍を形成した。また、阻害剤の添加によりSP細胞の増殖にはエストロゲンやPI3Kを介する経路が重要であることが明らかになった。 2.エストロゲン依存性腫瘍としての子宮体癌発癌機構の解明 今年度は発癌に重要な経路としてRac経路とEstrogen Receptor(ER)機能の関連を解析した。活性化型K-Rasを導入した細胞ではRac活性が上昇し、ドミナントネガティブERを共発現させると低下した。活性化型RacはER機能抑制による細胞老化誘導を阻害した。以上より、Ras/ER/Racの経路の存在が示唆された。
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Research Products
(4 results)