2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390452
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 慎一 東北大学, 医学部, 教授 (60144862)
和氣 徳夫 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (50158606)
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Keywords | 子宮体癌 / 子宮内膜 / 幹細胞 / 分子標的治療 / エストロゲンレセフター |
Research Abstract |
1)我々は、ヒト正常子宮内膜にHoechst33342の取り込みの低いside-population(SP)細胞が存在し、長期培養後にそれぞれの分化マーカーを発現する脈上皮様細胞や間質様細胞に分化することを明かにしたが、この変化が細胞分離時のコンタミネーションでないことを示すため、不死化ヒト子宮内膜細胞株を用いてFACSによりSP細胞とnon-SP細胞を分離し、幹細胞維持用培養液(MF-medium)と通常の培養液(DMEM)で培養した。 2週間後、MF-raediumでは分化マーカーはSP細胞の方が発現が低かったが、DMEMではSP細胞とnon-SP細胞の間に発現の差はなかった。また、マトリゲルで培養したところ、3ヶ月後、MF-mediumでは、SP細胞は散在性に増殖するのみであったが、DMEMは脈管構造や間質様構造を形成した。以上より、SP細胞は分化過程で分化マーカーを発現していくことが示され、stem-like cellの性質をもつことが明かとなった。 2)子宮体癌細胞におけるRas/ER/MDM2経路の役割を明かにするため、子宮体癌細胞株のMDM2の発現を正常子宮内膜と比較したところ、亢進しており、siRNAで発現を抑制すると、細胞増殖が著明に抑制された。また、MEK阻害剤添加により、MDM2の発現は低下し、p53,p21の発現が増加し細胞老化が誘導された。このMEK阻害剤の効果はEstrogen Receptor活性に依存性であった。そこで、MEK阻害剤と抗エストロゲン剤を同時投与したところ、それぞれの単独投与に比べ、子宮体癌細胞株の細胞増殖能、造腫瘍能の抑制効果が増強された。この2剤の併用投与が子宮体癌の治療に有効であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)