2005 Fiscal Year Annual Research Report
HIV垂直感染における胎盤関門と脱落膜大顆粒リンパ球の役割
Project/Area Number |
17390454
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 智 日本大学, 医学部, 助教授 (30238084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 聡 日本大学, 医学部, 専修研究員
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
北村 勝彦 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30195284)
本多 三男 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 第一研究グループ長 (20117378)
齋藤 滋 富山大学, 医学部, 教授 (30175351)
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Keywords | HIV / 垂直感染 / 胎盤関門 / 大顆粒リンパ球 / 転写因子 / IL-16 / IDO / アロマテラピー |
Research Abstract |
無治療のHIV陽性妊婦でも垂直感染の程度は20%程度であり,不完全ながら胎盤関門が存在すると考えられる.ヒト脱落膜にはCD56強陽性,CD16陰性の大顆粒リンパ球CD56 LGLが多数存在し,母児免疫の上で重要な役割を果たしている.CD56LGLに対するHIV感染機構と,感染によるシグナル伝達の変化を検討した 1)CD56LGL株MOTN-1,KHYG-1に対してHIVが感染することによりSOCS-1,3の一過性上昇と転写因子GATA-3,PAX-5のdown-regulationがみられた 2)これらの細胞株は脱落膜CD56LGL同様HIVに感受性であるが構成的にIL-16を産生し,これが感染防御に作用する可能性が示唆された 3)臍帯血,脱落膜より誘導した樹状細胞にHIVを感染させることにより,IDO(indoleamine 2,3 dioxygenase)の発現が誘導された 4).IDOの発現はprolactine(PRL),CTLA-4によってup-regulationされた 5)HIV感染妊婦に対する低毒性抗ウイルス薬の開発のため,アロマセラピーに用いられる38種類のessential oilの抗HIV複製作用をMAGIC5アッセイにより検討したところ,ベルガモット、ミルラ、レモン,ローズオットーおよびレモングラスにAZTに匹敵する比活性がみられた.興味深いことに感染阻害作用には単純な濃度依存性がなく,特定濃度で最大限の抑制効果がみられた.
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