2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390460
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福島 邦博 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50284112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 英政 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (50292123)
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Keywords | siRNA / 難聴 / 遺伝子治療 / dominant negative効果 / 感音難聴 / 内耳 / 治療効果 / ABR |
Research Abstract |
<はじめに>進行性感音難聴を示すものの中には、優性遺伝性を示すものがあり、この中には病的遺伝子のdominant negative効果によって生じるものがある。我々は今まで、siRNAを用いた系によって、こうした病的遺伝子の発現抑制を行う方法をin vitroで行ってきたが、今回は、遺伝性難聴のモデルマウスを作成し、siRNAを用いたin vivo実験を行った。 <材料方法>すでに作成したマウス用siRNA4種の配列を参考に、ヒトGJB2R75Wに特異的なsiRNAを作成した。また、GAPDH用およびランダムな配列を用いたnegative control siRNAを陰性コントロールとして用いた。作成したsiRNAは、リポソームに封入して200μMの濃度で投与した。mRNAsの定量には、RT-PCRを用いた。GJB2の常染色体優性遺伝の原因となる遺伝子異常として知られるR75WとeGFPを含んだベクターのCo-transfectionを行った。1)GJB2R75W-Egfpのみを投与した疾患モデル群、2)コントロールのRNAを用いたsham operation群、3)GJB2R75W-eGFPと、病態遺伝子特異的siRNAを投与する群の3群に分け、それぞれの聴力を聴性脳幹反応によってその変化を検討した。 <結果>GJB2siRNA2ではトランスフェクトしたGJB2-eGFPのR75W遺伝子発現を、コントロールと比較して85%程度の割合で抑制した。マウスゲノム由来のGJB2についてはほとんど発現の抑制を認めなかった。聴性脳幹反応検査の結果では、コントロールsiRNA投与群と比較して、疾患特異的遺伝子に対するsiRNA投与群では有意に聴力が改善し、コントロール群との有意差が認められないレベルまで改善していた。
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Research Products
(2 results)