2005 Fiscal Year Annual Research Report
錐体・杆体細胞の培養系確立と網膜疾患の試験管内モデル系構築
Project/Area Number |
17390468
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Keywords | 視細胞 / 杆体 / 錐体 / 培養系 / 癌化 / トランスジェニックマウス / 色覚オプシン / ロドプシン |
Research Abstract |
視細胞の培養系確立を目指して、杆体、錐体でSV40 Large T抗原を発現させるために用いるプロモーターの選定を含め、プラスミドの構築検討を開始した。当初計画していたロドプシンなどのプロモーターを用いると癌化でなく細胞や組織の変性が起きるという報告があるので、他の遺伝子を採用することとした。現在、pBLUESCRIPT II SK(+)をベクターとし、錐体に発現するGNAT2のプロモーターをSV40 Large T抗原遺伝子の上流に、下流には錐体、桿体細胞、松果体で発現するIRBP遺伝子のエンハンサーを連結したプラスミドをほぼ構築完了した。このプラスミドをC57BL/6系マウス受精卵に微少注入してトランスジェニックマウスを作成し、癌化した眼由来組織を単離して培養細胞の確立を行う計画である。一方、確立する予定の培養錐体/杆体細胞は様々な目的に利用価値が高いと思われるが、本研究の主目的の一つは色覚オプシンやロドプシンの排他的な発現の機構の解析に用いることである。そのために、それらのオプシンを識別可能な抗体の作成を試みた。マウスは緑、青オプシンしか存在せず、ヒトの赤・緑オプシンは相同性が極めて高いため、マウスの緑とヒトの赤・緑の3種をすべて認識する抗体、マウス青オプシンとヒト青オプシンをともに認識する抗体の2種類の抗体を作成するための合成オリゴペプチドをマウスのアミノ酸配列をもとに作成した。両方のオリゴペプチドをそれぞれ2羽ずつのウサギに免疫して抗血清を得た。錐体や杆体で発現する遺伝子を内在的に発現していると言われている網膜芽細胞腫由来細胞株Y79など、およびオプシン遺伝子を強制発現させた細胞などを利用して、作成した抗体の特異性の確認を行う計画である。
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