2005 Fiscal Year Annual Research Report
Stevens-Johnson症候群の発症機序と病態に関する解析
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17390470
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30216585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30116024)
上田 真由美 京都府立医科大学, 医学研究科, 修練医 (60398386)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10263097)
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Keywords | Stevens-Johnson症候群 / 角膜上皮幹細胞 / マイボーム腺圧出油脂異常 / 角膜混濁 / 血管侵入 / 瘢痕性結膜上皮 / 自然免疫応答 / Thioredoxin |
Research Abstract |
Stevens-Johnson症候群患者の眼表面再建術を施行していない138眼を対象として、輪部上皮残存、生体染色、上皮欠損、結膜侵入、血管侵入・角膜混濁、角化、充血、瞼球癒着、睫毛乱生、皮膚粘膜移行部、マイボーム腺圧出油脂、涙点閉鎖の13項目を4段階のスコアで評価したところ、輪部上皮(角膜上皮幹細胞)の消失およびマイボーム腺圧出油脂異常が約90%に認められた。これら13項目はすべて視力に相関し、特に血管侵入、角膜混濁、結膜侵入が高い相関係数を示した(いずれも0.7以上、P<0.0001)。また多変量解析により、白内障、輪部上皮の残存程度、角膜上皮障害、上皮欠損、血管侵入、角膜混濁、角化が視力を規定する主な因子であることが明らかとなった。また患者涙液を採取し、抗酸化物質であるThioredoxin(TRX)の濃度を測定し、正常眼あるいは他疾患と比較した。涙液中のTRX発現量は、正常眼164.3±104.8(ng/ml,平均±SD)、非炎症眼143.8±82.9であるのに対して、本症候群では3018.1±1992.8と極めて高値であった。免疫染色により、本症候群の瘢痕性結膜上皮とくに最表層にTRXの強い発現を認めた。本症候群の涙液と眼表面に発現するTRXが、酸化ストレスと炎症の制御に関与している可能性が示唆された。Stevens-Johnson症候群患者ならびに健常人の末梢血から単球を分離し、GeneChipによる遺伝子発現解析を行った。その結果、患者と健常人で差のみられた遺伝子が20遺伝子存在した。それらのうち5遺伝子(IL-4R、IL-1α、NFKB IZ、IL-6ST、CXCL7)において、定量PCRにより有意な差を確認した。このことより、Stevens-Johnson症候群に自然免疫応答の異常が関与する可能性を示唆された。
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Research Products
(2 results)