2006 Fiscal Year Annual Research Report
Stevens-Johnson症候群の発症機序と病態に関する解析
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17390470
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30216585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30116024)
上田 真由美 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (60398386)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10263097)
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Keywords | Stevens-Johnson症候群 / 視力障害 / HLA / 自然免疫応答 / 遺伝子多型 / Toll like receptor(TLR) / 常在細菌 / 薬疹 |
Research Abstract |
Stevens-Johnson症候群(SJS)発症の素因として、これまでに頻度の高いHLAがヨーロッパ、香港から報告されたが、それらは日本人では認められないHLA型であった。本研究では日本人患者40例の末梢血からDNAを採取してHLA遺伝子型を解析し、コントロール(非発症)群と比較して患者群ではHLA-A0206が有意に増加、A1101が有意に減少していることを明らかにした。 一方、患者44例を対象に発症時の症状、薬剤履歴、急性期の眼科治療について聴取した、80%で感冒様症状を伴い、63%において眼充血が発疹より先行していた。また発症1週以内にステロイドが眼局所に投与された群は、非投与群に比べて有意に視力予後が良好であった。眼合併症を伴うSJSは、結膜充血が発疹に先行して発症することが多く、初期のステロイド眼局所投与が視力予後に影響することが明らかとなった。 近年、病原体認識機構であるToll like receptor(TLR)が、自然免疫において重要であることが示され、またウイルスに関与するものとしてTLR3が注目されている。そこでSJS患者57名と、健常日本人160名の末梢血よりDNAを抽出し、TLR3の7つのSNPsをダイレクトシークエンス法にて解析した。7つのSNPsのうち、エキソン2に存在するIMS-JST130849G/T(p=0.001,オッズ比4.5)とエキソン4に存在するIMS-JST130843G/A(p=0.046,オッズ比2.2)の2つにおいて有意な差を認め、SJSの発症に自然免疫異常が関与する可能性が示された。
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Research Products
(8 results)