2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390471
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
榛村 重人 東京歯科大学, 歯学部, 客員講師 (00235780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 客員講師 (60398782)
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Research Abstract |
角膜再生医療の実現化に向けて、角膜幹細胞の分離方法を検討している。昨年度は、マウスを用いた実験系で角膜上皮および実質細胞(keratocyte)の幹細胞(COPs)を分離することに成功した。COPsは神経提細胞が発現するtwist、snail、slug、Sox9陽性であり、またCD34、Sca-1、musashi1が陽性であった。E/nestin-EGFPマウス由来の角膜実質細胞は、COPsとして浮遊培養することでGFP陽性となった。Condition mediumで接着培養したCOPsは神経細胞、グリア細胞、軟骨細胞および脂肪細胞の特徴を示した。一方で、GFP骨髄を移植したマウスよりGFP+のCOPsは分離されなかった。また、PO/Cre GFPマウス由来のCOPsはGFP+であった。これらの結果より、角膜実質幹細胞は神経提由来の組織幹細胞であることが示せた。一方で角膜上皮幹細胞は、無血清培養で数十代の継代培養が可能であることがわかった。マウス上皮幹細胞を用いて重層化上皮シートの作成にも成功した。マウスに無縫合で培養上皮シートを移植したところ、術後早期より上皮化が得られた。コントロールマウスでは血管侵入を伴う結膜上皮によって覆われたのに比べて、上皮シートを移植した群ではK14+、K12-の重層化上皮が認められた。 COPs及び上皮幹細胞は、骨髄幹細胞マーカーであるABCG2陽性であり、幹細胞の未分化性に重要であるNotch1の発現も確認できた。また、ヒト角膜上皮細胞の細胞株を用いて、低酸素培養の条件も進めた。すでにABCG2の機能が低酸素・再酸素化障害に重要であることを、阻害実験を用いて証明しつつある。マウス幹細胞と比較して、ヒト組織幹細胞は培養が難しいとされているが、低酸素培養の条件を整えることで、マウス同様に継代培養できることを期待する。
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Research Products
(6 results)