2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390471
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Research Institution | Tokyo Dental Collage |
Principal Investigator |
榛村 重人 東京歯科大学, 歯学部, 客員講師 (00235780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 客員講師 (60398782)
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Keywords | 角膜上皮細胞 / 幹細胞 / 低酸素 / 細胞培養 / サイトケラチン / 再生医療 / 免疫染色 / 前駆細胞 |
Research Abstract |
マウス角膜より実質幹細胞の分離に成功した。我々は、この幹細胞をcornea-derived progenitors(COPs)と名付けてStem Cell誌に掲載をした。COPsは神経堤由来の多分化能をもつ幹細胞であり、角膜実質細胞の他に、線維芽細胞、神経細胞、グリア細胞や脂肪細胞に分化することを確認した。COPsを無血清培地にて浮遊培養することで、10継代以上維持することが可能であることを確認した。一方で、ヒト角膜よりも同様のCOPs細胞を分離することにも着手した。今後はヒトCOPsの長期培養法を検討する予定である。 ヒト角膜の上皮から、低酸素培養を用いて効率的に前駆細胞を培養する方法を開発した。2%酸素の低濃度ではケラチン12陰性前駆細胞は、通常酸素濃度と比較して優位に増殖速度が亢進された。低酸素培養ではコロニー形成率も有意に高く、より未分化な細胞を選択的に増殖させていることが示唆された。角膜上皮幹細胞・前駆細胞の大量培養は再生医療の面から非常に有用である。我々は角膜上皮前駆細胞を増殖させ、さらに重層化させることで培養上皮シートを作成する技術をすでに有している。今回の研究では、重層化の過程においてフィーダー細胞を2層用いることでより角膜輪部の表現形に近い上皮シートを作成することに成功した。すなわち、細胞シート基底部にはケラチン15陽性細胞が局在し、表層部では分化マーカーで会えるケラチン12陽性細胞が認められた。また、ヒトではケラチン15が角膜上皮前駆細胞のマーカーとして使えることを報告した。角膜上皮幹細胞を維持するニッチについてはまだ不明な点が多く、今回の研究成果を元に今後はさらに生体内での上皮幹細胞の動態について解明していく予定である。
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Research Products
(7 results)