2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト毛包由来細胞および上皮系幹細胞を用いた毛髪再生に関する研究
Project/Area Number |
17390474
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 睦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50311618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60210762)
長瀬 敬 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00359613)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 生体分子 / 臨床 |
Research Abstract |
(1)ヒト毛髪からの毛乳頭細胞単離法および培養法の確立 ヒト毛髪からマイクロダイセクションにより毛乳頭を採取し、explant cultureすることで毛乳頭細胞を単離することに成功した。さらに特定の処理を組み合わせることで、より効率的に毛乳頭細胞を単離する方法を開発した。また基礎培地としてDMEMを用いるが、ここに表皮細胞培養上清を添加することで、より短時間に増殖できることを確認した。 (2)表皮細胞培養上清の組成解析 サイトカインアレイおよびELISA法により表皮細胞培養上清の組成を解析した。現段階では数種の成長因子が多く含まれることが判明しており、毛乳頭細胞用リコンビナント培地の開発を予定している。 (3)培養毛乳頭細胞の毛包誘導能評価系の確立 毛乳頭細胞の毛包誘導能評価系として、毛乳頭細胞塊をラット足底皮膚とともに免疫不全マウス皮下に移植する動物モデルを確立した。このモデルでは移植したヒト培養毛乳頭細胞塊がラット表皮細胞に毛包誘導シグナルを与え、無毛である足底皮膚片にde novo毛包を誘導する。この評価系において、ヒト培養毛乳頭細胞も高い毛包誘導能を有することを確認した。 (4)上皮系幹細胞の単離 ヒト毛包からの表皮細胞単離に成功し、さらにこれらの表面抗原解析をおこなった。CD34など幾つかの幹細胞マーカーを発現する細胞が含まれることが明らかになっており、今後この中から、上皮系幹細胞と目される毛包バルジ細胞を単離することを目指す。 (5)細胞移植法の開発 毛髪再生にとって最適な細胞移植法の検討、およびそのためのデバイスの開発をおこなっている。移植細胞の形態が毛包誘導率に影響し、ある形態での細胞移植が他より優れていることが判明している。デバイスはバイオマスター社および東京大学工学部との共同研究によりプロトタイプを作成し、動物モデルを用いた性能評価をおこなっている段階である。
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