2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来幹細胞による生体内3次元組織再生 -大動物を用いた前臨床研究-
Project/Area Number |
17390478
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
百束 比古 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 博司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80343606)
小池 幸子 日本医科大学, 医学部, 助教 (90386227)
青木 律 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50231775)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脂肪 / 骨 / 血管 / 再生医学 / 組織工学 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本年度は人工的に作成した下肢虚血モデルに自己由来脂肪組織幹細胞(ASC)を投与することで血管再生効果がどの程度起こるかを検討した。 当初ビーグル犬を用いた実験モデルを作成を予定していたが研究途中で実験動物の感染に伴い継続が困難となり、やむを得ず日本白色家兎によるモデルに切り替えて実施した。 日本白色家兎の鼠径部皮下脂肪よりASC精製プロトコールに従ってASCを抽出し培養増殖させた後、再度全身麻酔下に両側の大腿動静脈を完全に切離し下肢虚血モデルを作成した。その後直ちに自家由来ASCを片側の下肢筋肉内に注入移植した。移植後2週目に安楽死させ、肉眼的な虚血下肢の状態、赤外線サーモグラフィーによる皮膚音測定、選択的血管造影による下肢血行の評価および組織学的評価を実施した。なお移植したASCには予め細胞の動向を調べる目的でDiIによる染色を施した。 その結果、(1)肉眼的にはコントロール群と比較して明らかな違いは認められなかった。(2)赤外線サーモグラフィーにより実験群において若干の温度上昇を認めた。(3)血管造影上、実験群において豊富な血管の描出が認められた。(4)組織学的所見では実験群において毛細血管数の増加が認められ、一部の血管内皮細胞でDII陽性細胞が存在した。 以上より、日本白色家兎においても自己由来ASCにより虚血下肢において血管再生効果があることが示された。
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Research Products
(4 results)