2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚幹細胞の同定・単離と、その増殖・分化の分子機構の解明
Project/Area Number |
17390487
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 英隆 Kyushu University, 歯学研究院, 教授 (80136499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 家吉 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (40243951)
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20264054)
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Keywords | 歯胚 / 発生・再生 / cDNAサブトラクション / in situ hybridization / アンチセンス法 / 器官培養 / thymosin beta 4 / protogenin |
Research Abstract |
本科学研究補助金により平成19年度に以下の研究成果を得た。 ・Nucleolinについて検索を行い、この遺伝子の発現を制御すると歯胚の発育が抑制され、またMidkineの発現も抑制された事から、これらの因子間に緊密な関連がある事を明らかにし、Journal of Biological Chemistryに誌上発表した。 ・以前の検索で歯胚の発生、発育に緊密な関係がある事を明らかにしたThymosin beta 4(Tb4)を機能阻害する事により、タイプII/III Runx2/Cbfa1やnucleolinの発現レベルが低下することにより、Tb4が歯胚細胞内の情報伝達機構に重要な機能的役割を果たしている事が示唆された。現在論文発表の準備中である。 ・解糖系酵素であるPgk1について歯胚の発育における発現様式をmRNA、タンパクレベルで検索し、この酵素がもうひとつの解糖系酵素であるGAPDHとタンパク複合体を形成し、歯胚の発生・発育に関与している事を解明し、Histology and Histopathologyに誌上発表した。 ・cDNA サブトラクション法により検出した歯胚の発生初期に発現する遺伝子のうち、その蛋白構造のモチーフから細胞膜表面の受容体と予想される因子について構造解析を行い、この因子が現在まで歯胚の発生、発育過程では報告されていない遺伝子、Protogenin(Prtg)である事を明らかにし、この因子の発現抑制をすると歯胚の形成が阻害される事から、歯胚の発生に重要なシグナル受容体であり、歯原性幹細胞との関連が示唆された。現在データの一部について論文作成中である。
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Research Products
(10 results)