2005 Fiscal Year Annual Research Report
TLRシグナル伝達に関するサイトカインシグナル抑制因子(SOCS)の分子制御機構
Project/Area Number |
17390488
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
花澤 重正 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60060258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 登 九州大学, 歯学研究院, 助手 (00230368)
舛広 善和 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 講師 (00336083)
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Keywords | TLR / サイトカイン / 抑制因子 / 相互作用因子 / 制御機構 |
Research Abstract |
TLRシグナル伝達におけるサイトカインシグナル抑制因子(SOCS)の分子制御機構の研究を遂行するにあたり、私達は酵母-Two hybrid system法を用いてSOCS相互作用因子を検索し、その相互作用因子を求めることによりその制御機構について解析することを試みた。その結果、以下のような知見を得た。 1.ヒト骨格筋cDNAライブラリーよりヒトSOCS-3の相互作用因子をスクリーニングしたところ、調べたクローンの約35%が細胞周期制御転写因子DP-1と相互作用した。 2.その相互作用をPull-down法で確認し、さらに、HEK293細胞にSOCS-3及びDP-1発現ベクターを導入し、免疫沈降-Western blot法によりin vitroでの相互作用を確認した。 3.また、共焦点顕微鏡によりSOCS-3及びDP-1発現ベクターを導入したHEK293細胞における両分子の細胞内局在を調べたところ、核内への移行が認められたが、細胞質にもその局在をみることができた。 4.さらに、細胞周期制御転写因子E2F1/DP-1の転写活性に関するSOCS-3の制御作用を調べたところ、有意にその転写活性を抑制した。 5.このSOCS-3の転写活性抑制作用は細胞周期の遅延を推測させることから、この点について調べたところ、G1からS期への移行を遅延させる結果を得た。 ごく最近、TLRシグナルを介する線維芽細胞の分裂促進作用が報告されているが、私達の本年度の研究結果は、SOC-3がそのTLRシグナルを介する細胞分裂促進作用の抑制制御因子として関与していることを示唆することから、この点について検討することによりTLRシグナルに関する新らたなSOCS-3の制御機構のアプローチになるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)