2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収抑制作用と抗炎症作用を併せ持つビスホスホネートの歯周疾患治療医学への応用
Project/Area Number |
17390491
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 禎章 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00333823)
荘司 加奈子 東北大学, 病院・助手 (90302158)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Keywords | ビスホスホネート / 歯周炎 / 破骨細胞 / 抗炎症作用 / プロスタグランジン / NO / COX / 骨吸収 |
Research Abstract |
平成17年度における研究成果は概ね以下の通りである。 (1)マウス頭蓋骨の器官培養法を用い、ビスホスホネート(BP、BPs)が破骨細胞の機能と形態に及ぼす作用について検討した。その結果、いずれのBPsもLPS,IL-1β、PGE2等による骨吸収の亢進を用量依存的に抑制した。また、培養した頭蓋骨に免疫組織化学的な染色を施し、共焦点レーザー顕微鏡によって観察した結果、破骨細胞のアクチンリングやβ3インテグリンタンパクが消失し、破骨細胞の細胞骨格や骨への接着に破綻が生じていることが明らかとなった。一方、骨芽細胞や骨細胞には形態的な変化は見られなかった。 (2)いくつかのBPsのうち、クロドロネートやエチドロネート、TRK-530などのBPsは、骨吸収抑制作用に加えて、用量依存的にPGE2の産生を抑制し、抗炎症作用を併せ持つ可能性が示唆された。また、側鎖に窒素原子を持つBPsは、大量に与えたとき、逆にPGE2の産生を促進する可能性があることが明らかとなった。 (3)骨吸収を抑制し、抗炎症作用を併せ持つ可能性のあるBPsのうち、特にTRK-530について、その抗炎症作用の機序について検討した。その結果、TRK-530は、抗酸化作用により活性酸素をスカベンジする作用をもち、その作用により、NOから産生されるONOO^-(ペルオキシナイトライト)の発生を抑制する可能性があることが明らかとなった。すなわち、COX2発現促進作用を持つペルオキシナイトライトの産生が抑制されることが、PGE2産生の抑制と関連することが示された。 (4)全身的あるいは局所的に投与したTRK-530は、ラットの実験的歯周炎モデルにおいて、用量依存的に骨吸収を抑制し、歯周組織の破壊を抑制した。
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Research Products
(3 results)