2008 Fiscal Year Annual Research Report
MRI画像解析法を応用した摂食嚥下メカニズムの生理学的計算モデルの構築
Project/Area Number |
17390501
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本多 康聡 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40284070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
党 建武 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
石田 瞭 東京歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (00327933)
柳 文修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50284071)
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Keywords | MRI / 摂食嚥下 / 生理学的モデル / 拡張有限要素法 |
Research Abstract |
実験では硫化したGaAs基板にパラジウム原子を載せた系で周東・有澤(北大薬学)、塚本(阿南高専)らによってヘック触媒反応が報告されているので、まずその系に絞って第一原理計算を行った。2×2のスーパーセルでの第一原理計算により、硫黄原子とパラジウム原子のそれぞれの安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。さらに、硫黄原子とパラジウム原子がそれぞれ1個ずつ共吸着した場合での両原子の安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。また、それぞれの場合の電子状態の違いを調べた。 計算の結果判明したことは、硫黄原子を先に吸着させても、後から吸着したパラジウム原子の安定吸着位置の方が硫黄原子より内側となることと、硫黄原子との共吸着の場合の方がかなりパラジウム原子の吸着エネルギーが強くなることである。つまり、硫黄原子の役割はパラジウム原子を強く表面上に結合させることであると言える。このことは、実験において硫化していないGaAs基板上にパラジウム原子を載せた場合に触媒活性は示すものの数回の実験で触媒活性が失われてしまうのに対し、硫化させたGaAs基板にパラジウム原子を吸着させた場合は100回程度実験を繰り返しても触媒活性の劣化があまり起きないという事実を説明する計算結果であると言える。 このことから、硫黄以外の原子を代用させてパラジウム原子を固定させることも可能であることも結論づけられた。 また、GaN(0001)基板についてもパラジウム原子と硫黄原子の吸着位置を明らかにした。1,MRIによる咽頭後壁の動きについての画像解析 昨年度までの研究において作成した舌、喉頭部のモデル化に加え、咽頭後壁の画像解析を進めた。MRIによって描出された咽頭後壁の動きについてvideofluorography (VF)の値と比較した。MRIでは嚥下に関連する解剖学的な構造物の動きが評価できた。咽頭後壁における6つの構造物(舌骨、喉頭、上咽頭部、下咽頭部、食道入口部、食道上部)の垂直的および水平的移動距離はVFの計測値と優位差はなかった。 2.生理学的モデルを応用した摂食・嚥下動態の可視化 (1)摂食・嚥下障害者の嚥下透視画像の分析 これまでに作成した生理学的嚥下モデルに摂食・嚥下障害者の動きをシミュレートさせるため、摂食・ 嚥下障害者の嚥下透視画像を分析し、その特徴を把握した。 (2)立体画像構築 岡山大学所有の画像解析用ワークステーションにより立体画像を構築し、動的な嚥下関連筋の構造とその機能の連携動作を定量的かつ客観的に解析した。またMRIにおいて描出が不明瞭な筋肉については、CTの画像データを加味することで解決するとの結論を得た。 (3)3次元MRIデータの検討 ATR国際電気通信基礎技術研究所(京都)の1.5TのMRI装置を使用し、軟口蓋、咽頭後壁の3次元MRIデータ収集について検討を行った。この部位については1.5TのMRI装置より3TのMRI装置において撮像したほうが、明瞭な画像収集ができると推測され、今後の課題となった。 研究成果の一部は第14回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会(千葉)、第7回アジアロ腔顎顔面放射線学会議(奈良)、2009Dysphagia Research Society Annual Meeting (New Orleans,USA)にて発表した。2009Dysphagia Research Society Annual Meetingにおいてはポスター賞に入賞した。
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Research Products
(3 results)