2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390504
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
新井 嘉則 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (20212607)
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Keywords | 実験動物 / マイクロCT / 再生医学 / 3次元 / 動物愛護 / 成長 / 腫瘍 / 骨 |
Research Abstract |
高速高解像力の実験動物用のX線マイクロCT(以下マイクロCT)の実用化のための研究を行った。平成17年度はX線センサーを光電子倍増管からフラットパネルへ変更を行い、解像力およびダイナミックレンジなどの基本性能を大幅に改善した。 開発したマイクロCTの基本性能は、撮像時間は最短で17秒とし、30秒、2分および8分を選べるようにした。画素のサイズは正立方体で1辺の大きさが133-10umまで可変とした。画素数は480x480x480とした。管電圧は30-130KV、電流は0-300uAで、焦点サイズは7,20および40umの可変とした。本年度はこれらを受けて、実際の実験動物を撮像し、その有用性の証明を行ったので報告する。 肝臓ガンのモデルマウスに浅い麻酔を行い、ヒトに使用されている水溶性の造影剤を使用し、1分間隔で撮影することで、早期相、門脈相、晩期相の各相の鮮鋭な画像が得られた。これによって、ガンの病態を明らかにすることが可能となった。脳低動脈の奇形モデルラットに対しては浅い麻酔を行い撮像し、その奇形を評価することが可能となった。肺ガンのモデルマウスにおいて浅い麻酔を行い、直系1mm程度の小さなガンを観察することが可能となった。 肥満モデルのラットに対しては、内臓脂肪を3次元的に評価することが可能となった。皮下腫瘍に対しては、腫瘍に栄養している血管を3次元的に画像化することに成功した。また、生後1時間から14日まで、ラットを経時的に撮像することにも成功した。 これらのことから、開発した装置は、17秒と短時間で撮影が可能で低被曝であることから、実験動物を飼育しながら連続的に撮像することが可能となった。 本装置を応用することで、1匹の実験動物を長期間にわたり観察が可能になることから、再生医学やガンの治療研究に有効であった。実験に使用する動物の匹数を少なくすることが可能となり動物愛護の点でも有用であることが実証された。
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