2007 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質接着材成分のストレス蛋白遺伝子の転写への影響
Project/Area Number |
17390505
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野田 守 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (10301889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
中沖 靖子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50302881)
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Keywords | 転写因子 / 象牙質接着材 / グルタチオン / ストレス |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、HEMA及びTEGDMAが細胞のストレス遺伝子の転写に影響を与えることが明らかとなったことから、光重合レジンを重合させる際に発生さされるラジカルとの相互作用の有無についても検討が必要であると思われた。従って、まずラジカルが細胞の防御機構にどのように影響するかをについて調べることにした。 発生するラジカルが周囲細胞への影響を調べるために光照射器を用いてラジカルを発生させ、細胞内グルタチオンの濃度ならびに転写因子(NF-kB)に及ぼす影響を調べた。 その結果、ラジカルを発生させる成分として用いられた3級アミンとカンファーキノンの両者が存在するとGSH濃度は低下し、光照射によりラジカルが発生するとGSH-GSSG共に顕著に低下し非常に強いストレスとなっていることが明らかとなった。また、ラジカル発生成分はNF-kBの転写を抑制することが明らかとなった。これらのことから、光重合型コンポジットレジンに含まれる各成分や重合の際に発生するラジカルがそれぞれ細胞に対してストレスとなるばかりでなく、複合的に作用して相乗的に働くことも示唆された。 コンポジットレジンがより生体に対して親和性の優れた材料となるには細胞に対するストレスを軽減させることが必要であり、複数のストレス因子の相乗效果も検討していく必要があると思われた。
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Research Products
(2 results)